レトロゲーム互換機RetroN 5などで知られるメーカーHyperkinが、任天堂のNINTENDO64の互換機を開発していることが明らかになった。液晶モニターを搭載した携帯ゲーム機のようなスタイルのデザインになるようだ。Hyperkinのシニア・アカウントマネジャーのRamon Navos-Moral氏が12月11日、開発中のプロトタイプの写真を自身のFacebookページにて公開している。
Navos-Moral氏がHyperkinの研究開発部で撮影したという写真には、NINTENDO64のコントローラーの上に液晶モニターがくっついたような形の本体で、『スーパーマリオ64』が動作している様子が収められている。HyperkinはNINTENDO64の互換コントローラーを製造販売しているので、コントローラー部分はそれをベースにしているのかもしれないが、オリジナルのNINTENDO64コントローラーにそっくりである。ただ、デザインについてはまだ最終決定していないという。液晶モニターの後ろにはNINTENDO64のカートリッジが写っているので、背面に差し込み口があり手持ちのカートリッジでゲームがプレイできるのだろう。拡張パックにも対応するのかや、エミュレーターならではの追加機能など詳しい仕様については不明だ。
今回、開発段階の未発表の製品を公開した意図についてNavos-Moral氏は、ソーシャルメディアからのプレッシャーを後押しにしてHyperkinに製品化を急がせたかったと語っている。このNINTENDO64互換機の社内での優先順位は38番目と極めて低く、我慢ならずに会社には無許可で公開してしまったそうだ。ただNavos-Moral氏いわく、おそらく指定し忘れていただけだろうが、このプロトタイプについてはNDA(秘密保持契約)の対象になっていなかったそうで、社外秘のものをリークさせた訳ではないと主張している。
Hyperkinは海外メディアNintendo Lifeに対して、このプロトタイプは実際に開発中のものであることを認めている。ただし、数ある製品のプロトタイプの一つで、製品化には至らない可能性もまだあるとしている。また、Navos-Moral氏に対しては内部情報を公開したとして必要な措置を講じているところだという。
Navos-Moral氏が処分を受けるのかどうかはさておき、同氏によると、HyperkinはこのNINTENDO64互換機を開発するにあたって、関連する特許について調査していたそうだ。その結果、任天堂は消滅したNINTENDO64の特許を復活させておらず、また関係者からはそうした計画もないと聞かされたという(特許権の存続期間は原則20年とされており、NINTENDO64は昨年発売から20年を迎えた)。Navos-Moral氏は、それはそれで残念なことではあるが、Hyperkinのような情熱ある小さなメーカーにとってはチャンスであると述べている。果たして、「N64は人生」だというNavos-Moral氏の思惑通り、この携帯型NINTENDO64互換機は発売に至るのかどうか、Hyperkinにはレトロゲーマーからの熱い視線が注がれていることだろう。
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