ストーマ(人工の肛門・膀胱)って知ってますか? 実情と理解を広めるため使用者自ら描いた漫画が話題に
排泄にまつわる話しにくいことを、かわいらしい絵柄で分かりやすく解説。
病気やケガで膀胱や腸を失い、本来のように便を排出できなくなった人は、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を身体に造設する必要があります。この処置を受けた人を「オストメイト」といい、その実情を分かりやすく描いた漫画がTwitterで注目を集めています。
投稿主はイラストレーターのぐぅぐぅ(@ponpokonyanko)さん。自身も難病の潰瘍性大腸炎がもとで大腸を全摘出し、ストーマを造設したオストメイトです。
ストーマは尿管や腸の一部を腹部から出して排出する人工の器官で、位置やサイズは処置を受ける人によってさまざま。便を止める力はなく、そのままでは自然ともれてしまいます。そこでオストメイトは「ストーマパウチ」と呼ばれる、便を溜めるための袋を着用します。
これはストーマと接続する穴と、便の排出口が付いた袋。尿路系・小腸系・大腸系などさまざまな種類があり、穴のまわりにある粘着部分をストーマに貼り付けて使用します。便が出たら、その都度排出口から出してトイレへ。ゆえに毎回貼り替えはしませんが、ぐぅぐぅさんの場合は3〜5日おきに交換しているそうです。
ストーマは腹部にあるので、通常のトイレでは便を処理する際に中腰になる必要があって大変なのですが、最近は公共トイレにオストメイト用の便器が増えているとのこと。立ったままの姿勢で処理できるため、楽で助かるのだそうです。
使用中ににおいはしないのか、よく聞かれるとぐぅぐぅさん。しかしパウチの破損等でもれない限りはほぼにおわないそうです。このように、オストメイトが生活するうえで大切なストーマですが、パウチは1袋300〜1000円、ほかにも剥離剤やケアパウダーなどが必要で、少なくない費用がかかります。衣服もパウチが目立たず、干渉しないものを選ぶなど、さまざまな苦労があるようです。
ツイートには「初めて知った」「分かりやすい」とのリプライが多数。「身内や知人にオストメイトがいながら理解できていなかった」といった声も寄せられています。排泄にまつわるゆえ本人が説明しにくい事柄が、広く伝わる有意義な漫画といえるでしょう。
(沓澤真二)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「インスリン打たないと死」 漫画家が自身の病気を描いた「1型糖尿病レポ漫画」が壮絶
注射か、死か。 - もし見かけたら援助や配慮を 赤地に白い十字とハートのデザイン「ヘルプマーク」を実体験の漫画で知る
見た目は健康そうでも助けを必要としている人がいるかもしれません。 - 大阪大学、性的指向・性自認の多様性に関する基本方針 「ALL GENDER」のトイレサイン作成
- お守りがボロボロになった理由に涙 漫画「おじいちゃんのお守り」にTwitterで感動の声集まる
電車での閲覧注意です。 - 2017年のインフル予防接種は「例年より痛い」「ここ数年で最悪の出来栄え」とボジョレー風評価が話題に 厚労省らに本当なのか聞いた
「ワクチンの種類が違う→痛みが強い」と考えられているようですが……。 - 水素水、バストアップ、関節に効く…健康食品に本当に効果はあるのか? 「商品テスト」から見る健康食品との付き合い方
「健康被害」にあわないために。