2018年もセンター試験が終わりましたね。受験された皆さん、お疲れさまでした。
さて、センター試験に限らず、さまざまなテストで聞かれるのが「難化」「易化」といった言葉。もちろんそれぞれ「難しくなった」「易しくなった」という意味なのですが、ここで問題になるのが「易化」の読み方です。
おそらく「いか」と「えきか」の2種類が考えられるのではないでしょうか。あなたはどちらで読んでいますか?
正解は「いか」。「えきか」でも通じるとは思いますが、今のところ間違った読み方ということになってしまいます(今後許容される可能性は大いにありますが)。
では、なぜ「えきか」ではいけないのでしょうか?
「易」の読み方
「易」には常用漢字表内に「エキ」「イ」「やさしい」という読み方があります。今回注目してほしいのは、「エキ」「イ」という2種類の音読み。実はこの2つ、それぞれ意味が違うのです。
「エキ」の意味
そもそも「易」という漢字は、トカゲをかたどったものだとされています(諸説あり)。トカゲは光の具合で色が変わって見えることから、「変わる」という意味を持つようになりました。
この意味を持つのが「エキ」という読み方。例えば「貿易」や「交易」は、モノとモノとを交換することをいいますよね。お互いの持ち物をとり“かえる”わけです。
「イ」の意味
一方で、「変わる」という意味が転化して「変わりやすい」となり、やがて「たやすい」という意味も持つようになりました。この意味を持つのが「イ」です。
例えば「容易」や「簡易」など、「難しい」の反対の意味で使われる場合は「イ」と読みます。
これに従った場合、「易化」の「易」は「たやすい」という意味なので、「いか」と読むのが正しい、ということになります。
なぜ「えきか」という読みが生まれたのかと考えると、まず単純に上記のようなことを知らない人が多い、という理由が考えられます。ですが、「いか」は言いにくい、意味が分かりにくいという理由もあるのではないでしょうか。中には、正しくは「いか」と読むことを知りながらも、分かりやすさのために「えきか」と読んでいる人もいることでしょう。
「えきか」と読んでいる人を見掛けても、糾弾しない寛容さも必要かもしれませんね。
参考文献
新漢語林
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