多くの人が利用するSNS等では、問題提起だけでなく小さな事柄から意見が分かれて議論に発展することが珍しくありませんが、ネット上では罵倒や嘲笑などが混じる発言が多いのが事実です。そこで、それら議論には不必要な言葉「贅言(ぜいげん)」を消去する方法を、国語辞典編さん者の飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんが提案しています。
議論において、論理的な「こうだから、こうなる」といったことば以外は「贅言(ぜいげん=無駄なことば)」なので、冷静な議論をするためにはお互いの発言からその「贅言を消去する」という手続きが有効だと説明。例として、
「反対だ」とか馬鹿なことほざいてんじゃねえよ
という発言なら、罵倒語の「馬鹿なこと」を全消去し、「ほざく」から贅言要素を消去して「言う」に変換することで、
「反対だ」と言わないでください
と解釈が可能に。こうすることで、「『反対と言うな』ということですね。反対すべきでない理由を聞かせてください」と冷静に議論することができるとしています。
なお「贅言」は、本来は「理由については贅言を要しない」のように「わざわざ言わなくていい、無駄なことば」の意味。飯間さんはツイートで、罵倒や嘲笑を“贅言”としたのは、「議論に必要のないことば」という意味で名付けたことを補足しています。また「悪口は無視しよう」という内容を、大切な手続きであることを強調するために、あえて「贅言消去」と硬く表現したことも述べています。
ネットでは、罵倒・皮肉・当てこすり・相手の人格に対する攻撃などを含んだ発言が少なくなく、そこにはさまざまな背景や理由が考えられます。そこに目を向けるのも重要ですが、ときにその中で議論する際には、今回の「贅言消去のすすめ」を実践することで効率的に話を前に進めたり、多くの議論の中から有益な内容を選んで読むことができそうです。
投稿されたTwitterでは「興味深い」「参考になります」と、勉強になったという声が多く寄せられ話題に。また自身の発言を振り返って「ちょっと反省」といった声や「議論では気をつけよう」などの声もあり、改めてネットでの発言を見直すきっかけにもなっているようでした。
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