恒例となってしまっている「始発ダッシュ」りんかい線はどう思う
コミケとりんかい線と聞けば、早朝に繰り広げられる「始発ダッシュ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
始発ダッシュとは、いつから始まったのかは定かではありませんが、東京ビッグサイトの最寄り駅である国際展示場駅に到着する始発電車を利用するコミケ参加者が、駅到着と同時に改札に向けて猛ダッシュ。まるで改札機がゴールテープだと言わんばかりに駆け抜けていくことで、この様子を撮影した写真や映像がネット上で話題になり、気がつけばコミケの風物詩のようになっています。
大手サークルの同人誌や企業ブースで販売される限定グッズなど、目当ての品を手に入れるには会場周辺で形成される待機列にいち早く並ぶ必要があります。そこからくる焦りに突き動かされた人々が始発ダッシュを繰り広げていると見られますが、近年では始発ダッシュをキメる人を撮影しようと、駅前に大勢の見物人が集まるようにもなっています。
りんかい線「大変危険ですので、おやめください」
この悪しき風習といって過言ではない「始発ダッシュ」をりんかい線はどう思っているのか。率直に聞いてみました。
すると、返ってきた回答の第一声が「当社としては名物とは思っていません」とやや怒気を感じられる答えでした。そりゃそうですよね。
「駅構内で走ると、転倒したり他のお客様とぶつかったりして危険です」と、今回のコミックマーケットに限った話ではなく、どのようなケースでも「駅構内で走らないよう、特に階段やエスカレーターで走るのは大変危険ですので、おやめください」とのことでした。最近は全速力で駆け抜けていくような人は減りつつあるようですが、床で足を滑らせて転倒すると大けがをする可能性があるのでとても危険です。やめましょう。
ちなみに始発ダッシュを撮影しようと集まる人々についても苦慮しているようで「駅改札内での撮影行為は、鉄道の安全なご利用の妨げになりますので、お断りしております」ときっぱりとした答えが返ってきました。
「改札外でもお客様の通行の妨げになったり、プライバシー上問題になるような行動はトラブルの原因になるため、ご遠慮いただくようお願いしています」とのこと。いまのところ大きなトラブルは発生していないようですが、今後何が起きるか分かりません。面白半分で捉えず、安全を優先した行動を心がけるようにしたいものです。
朝は9時ごろがピーク、国際展示場駅の混雑傾向
コミケ期間中の混雑傾向を聞いてみると、始発電車以外では7時ごろから9時ごろまで、13時ごろから17時ごろまではコミケ参加者によって激しい混雑が見られるそうですが、それ以外の時間帯は比較的空いているそうです。
コミケでは会場周辺に形成した待機列を会場内に引き入れるまで入場規制を設けており、それが解除されるのは例年正午ごろとなっています。初めてコミケに行くという人はよほどの理由がない限り、規制が解除されて交通網の混雑も避けられる正午ごろに会場に着く感じでスケジュールを立てると無理なく楽しめるでしょう。
帰宅が集中する時間帯の国際展示場駅では、埼京線直通の電車を待つ人が多いそうです。これについてりんかい線はコミックマーケット準備会のTwitterを通じて「大崎駅まで行って、同じホームの反対側で湘南新宿ラインの渋谷・新宿方面に乗り換える」というプランを提案しており、駅構内の混雑緩和のためにも検討してほしいとねとらぼの取材に対して話していました。
また、大崎方面に向かうために新木場方面の電車に乗って、大崎方面行き列車の座席を確保するという「折り返し乗車」は、正しい運賃を支払っていないため不正乗車にあたり、犯罪です。ただし例外として、乗り放題となる1日乗車券を利用している場合は不正乗車にはなりません。
りんかい線ではコミケ開催を記念してC94カタログ表紙イラストを使った1日乗車券(税込700円)を限定販売しており、この機会に活用してみても良さそうです。
平成最後の夏コミ「コミックマーケット94」は2018年8月10日から12日まで、東京ビッグサイトで開催。今年は記録的な猛暑が続いており、台風13号が関東地方を直撃する予報も出ているなど、注意すべき点は多いですが、年2回の祭典を心から楽しむためにも、交通機関のルール、乗車マナーを守って正しく利用しましょう。
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