有名な中学校の入試問題は、「これ本当に小学生が解くの?」と驚いてしまう難問ぞろいです。今回は一万円札の肖像でおなじみ、福沢諭吉が設立した慶應義塾の中等部の入試問題に挑戦してみましょう。
問題
九九の答えが書かれた表で横に隣り合う3マスを枠で囲みます。
例えば図の場所に枠を作ると24と32と40を囲んだことになり、3つの数字を合計すると96です。
では、3つの数字の和が63になるような枠はいくつ作れるでしょう?
ただし、色のついている、かける数とかけられる数が書かれている部分は枠で囲みません。
<平成29年度慶應義塾中等部入試問題・改題>
九九の表での枠の置き方はたくさんあるので、一つ一つ計算して63になるかどうかを探すのは大変です。小学生でも一瞬にして解くことができるような素晴らしい解き方があるので、うまく発想しましょう。
解説
例えば24,32,40で考えましょう。
24は32よりも8小さい数で、40は32よりも8大きい数です。両端の数字と32との差はどちらも8なので、3つの平均値は32ですし、3つの和は32のちょうど3倍になります。
このように3つの数字を囲むと、「左の数が真ん中より小さいのと同じだけ、右の数は真ん中より大きい」ことが分かります。
よって、3つの数字の和は、必ず真ん中の数字の3倍になるのです。
では、和が63になる枠の数を数えましょう。63は21の3倍なので、21が真ん中にくる枠を作ると和が63になるはずです。九九で答えが21になるのは3×7と7×3の2つだけです。
よって答えは2つです。
実は、思い付いたらほんの数秒で解ける問題でした。これは改題したもので、実際に出題された問題は最後の計算がもっと複雑ですが、やはり最大のポイントは真ん中の3倍であるということに気付けるかどうかです。観測できる事実から法則を見いだすことができるかどうかが合否を分けます。
他にもある! 名門中学の入試問題
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ニュースなどでよく見る表現も、意外と分からん……。