ハックその1:「起承転結」でなくてもいい
これは「今回が初同人誌です」という人にもありがちなケース。
物語の「起承転結」を意識するあまり、「これまでのいきさつ」が長くなってしまい、一番描きたかったはずのシーンが短くなったり、息切れしていたりします。漫画の場合は起のところで時間切れして準備号コピー本となったりする。また、書き出しが長くなることで、読者が飽きてしまうことも……。萌えの本質はそこにはありません!
一番大事なのは、あなたが一番萌えるシーン。
だから極端なことを言えば、そこまでのエピソードは「これまでのあらすじ」と箇条書き的なテキストで説明しちゃってもいいんです。「一番萌えているシーン」を最初にもってくるのもオススメ。いわば「転・起承転結」。ドラマや映画でも、印象的なシーンをバーン! と最初にもってきて、「……話は数日前にさかのぼる……」とやってますよね。あの型は書き出しで読者が引き付けられて、なおかつ萌えるところを最初に書けちゃうので一石二鳥なんです。自分が起承転結の起と思っているところは、実はストーリーが始まっていない前日譚である可能性すらある。
ちなみに商業成人向け漫画では、巻頭カラーにRなシーン→ストーリー説明→Rなシーンという構成をしているものも多く、参考になりますよ。
ハックその2:読者を迷わせない
同人誌で大事なのは「主題(企画)」です。同人誌の告知をするときに、だいたいみなさん「○○が××する本です」と告知しますよね。それが主題です。「誰がなにをしてどんな成長(変化)をするのか」「誰がどんな思いのもとどんな行動をするのか」というのは、もうみなさんの頭の中では決まっているはず。
ただ、思わぬところで筆が乗ってしまうことってあるんですよね。「○○というキャラは幼少期に家族仲がよくなかった」というつらい回想シーンが、ものすごいボリュームになったりする。
その本の主題が「○○がトラウマを乗り越える話」ならしっかり書いてもらいたい。でも主題に関係ない場合は、読者が「これどういう話だったっけ」と迷うミスリードになってしまいます。単なる過去設定なら2〜3行で大丈夫!
そういうときは作り手の主題を聞きつつ、「一読者としては長くて悪いことは1つもないんですが、このエピソードは主題と関係ない割に重いので、ないほうがスッキリするかもしれませんぞ」と伝えています。
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