本日4月8日21時から、ドラマ「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」(フジテレビ系)がスタートする。
このドラマは、「グランドジャンプ」(集英社)で連載中の同名漫画が原作だ。病の原因を探り、レントゲンやCTで病変を写し出す放射線技師と、画像を読影し病気を診断する放射線科医が身を置くのは、放射線科「ラジエーションハウス」。ここで働き、患者の病、ケガの根源を見つけ出す“縁の下のヒーロー”たちの闘いを描くのが、今作のストーリーである。
主演は窪田正孝で、ヒロインは本田翼。この並びには既視感がある。「JR SKI SKI」のCMで筆者が最もキュンキュンしたのは、2人が起用された2013年だった。窪田&本田は歴代最高のカップリング!
でも、今回はたぶん恋愛に発展しない(今更だが、月9は既に“ラブストーリー枠”ではない)。窪田が演じる診療放射線技師・五十嵐唯織は本田演じる放射線科医・甘春杏に想いを寄せており、杏も五十嵐が気になっている。だが、原作では2人は恋愛に発展していないのだ。
映像化する前から窪田正孝だと思ってた
まず、配役に関して。窪田の起用は、はっきり言って100点満点だ。というか、ドラマ化される前から窪田正孝か綾野剛を五十嵐にダブらせて読んでいた。髪形は綾野のほうが近いが、五十嵐は28歳なので窪田のほうが適任だと思う。食事は二の次、ゼリー飲料程度で済ませてしまうガリガリなイメージも、やはり窪田が合っている。それだけではない。五十嵐は小学3年のときに両親が離婚しており、以前の名字は窪田だった。こうなると「原作者の横森智裕が窪田正孝に当て書きして作ったキャラなのでは?」と、勘繰りさえ入れたくなってくる。
難しいのは、杏役を務める本田だ。杏は、素直になれないツンデレタイプ。読者をイライラさせることも少なくなかった。杏のキャラクターと本田の芝居のベクトル、残念ながら合っているとはあまり思えない。2月まで放送されていた深夜ドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね」(TBS系)での本田はムチャクチャ良かった。彼女が本領を発揮するのは、あの手のサバサバ女子を演じるときでは? という気がしている。本田翼を敬遠しているわけじゃない。大好きだ。だから、是非とも不安を裏切ってほしい。
ちなみに、今作の監督・鈴木雅之は「HERO」シリーズを手掛け、「王様のレストラン」や「29歳のクリスマス」では演出を務めていたやり手である。さらに、映画「マスカレード・ホテル」を大ヒットに導いた立役者だ。フジテレビは、明らかに今回の月9に力を入れている。
地味になるか、感動を再現できるか?
医者や看護師にスポットを当てるドラマは、よくある。そう考えると、放射線技師が主役のドラマというのもマニアックだ。映像化した結果、もしかしたらとてつもなく地味なドラマになる可能性も考えられる。でも、原作、すごく面白いのだ。本当に丁寧に作ってほしい作品。中でも一際注目は、乳がんの母と骨肉腫の子どもの母子家庭のエピソード。問答無用で泣けるし、これをテレビで放送することは社会的意義さえあると思う。
現在、原作『ラジエーションハウス』はコミックス7巻まで発売されている。そして、1つのエピソードに費やす時間はかなり長い。「1クールもつほど話は進んでいないのでは?」という懸念を抱かないでもない。でも、変に水増ししてほしくない。絶対に密度の濃いまま3カ月を駆け抜けてほしい。
「ラジエーションハウス」は重すぎず、明るく、それでいて感動作である。これをドラマで再現するのはなかなかなハードルの高さだ。意欲作だと思う。期待と不安を携えながら、今夜放送の第1話を待ちたい。
寺西ジャジューカ
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まつもとりえこ
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