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平成の特異点「ハートキャッチプリキュア!」 “キュアマリン”が今も愛され続けている理由サラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)

NHK全プリキュア大投票は「熱量」が可視化されたすてきなイベントでした!

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決めるときは決める

 ただ、キュアマリンをただの「おちゃらけキャラ」だと思っていたら、彼女の魅力の半分しか見えていません。彼女は実は「超カッコイイ」のです。敵の本拠地に乗り込んだ「ハートキャッチプリキュア!」第46話ではキュアブロッサム、キュアムーンライトを先に行かせ敵幹部クモジャキーに単独立ち向かうシーンなどその良い例です。

 「たとえ力はなくてもコフレはあんたなんかより1億万倍強い!」。
 「誰かを守るためなら頑張れる。その心が本当の強さだと思う!」。

 クモジャキーの話が終わる前に殴りかかるその姿、普段キレない彼女が「頑張ることをばかにされた」ことに対して怒る姿、超カッコイイのです。

 第49話、ラスボスであるデューンとの最終戦でも強大な力を見せつけられた後に、

 「笑っちゃうよね。たった14歳の美少女がデューンと戦うなんて」。
 「ちょっくら地球を守ってこよう!」。

 と先陣を切ってみんなを勇気付けるシーンは「ハートキャッチプリキュア」屈指の名場面なのです。「ちょっくら地球を守る」なんてキュアマリンにしか言えませんよね。

プリキュア ハートキャッチプリキュア! キュアマリン 全プリキュア大投票 NHK
「ハートキャッチプリキュア!」の4人(画像はAmazon.co.jpから)

キュアマリンの功績

 「ハートキャッチプリキュア!」本編で人気を博した彼女ですが、それだけではないのです。彼女はその後も春に上映される「プリキュアオールスター映画」に出続け、そのたびに新しい奇行伝説を残し、その驚きの行動はファンの心をガッチリとつかんできました。「1年に1回ファンの前に出て来て伝説を残す青いプリキュア」としての地位を確立していったのです。そしてその「毎年の露出」がファンの心に残り続け、投票数を伸ばしたものと思われます。

 キュアマリンは、プリキュアは「(物語的に)真面目な良い子」じゃなくてもなれる、ということをメタ的に表現できたことが大きいキャラクターだと思われます。ちょっとダメな自分でも、不真面目な考えを持っちゃう自分でも、プリキュアになれるということ、そしてプリキュアは自由奔放な考え方を受け入れることができる作品なのだ、ということを再認識させたのです。

 当時メタ的にぶっ飛んだキャラを出して視聴者を引っ張る女児向けアニメとしてサンリオの「ジュエルペットシリーズ」が展開されていました(「ハートキャッチプリキュア!」のころは「ジュエルペットてぃんくる☆」)。プリキュアは優等生的な面白さだけど、サンリオアニメはやや不真面目な面白さ、という構図があり、一部の女の子は、キャラ的にも面白いサンリオアニメに流れていく傾向がありました。その流れを食い止めたのがキュアマリンだったのです。

 キュアマリンは、メタ的に見て「よい子であれ」というプリキュアロールのかせを外し、こんなキャラクターもいても良い、いや必要である、ということを視聴者に知らしめたのです。そしてそのことが以後のプリキュアシリーズの多様なキャラクター造詣へとつながっていったものと思われます。

 そういった意味でもキュアマリンは、今のプリキュアシリーズを作り上げたキャラの1人といえるのでしょう。

 その個性的な振る舞い、型にはまらない性格、天真らんまんで明るく思ったことをズバっという。努力家で、悩みを抱えつつも、そのそぶりも見せずに周りを明るくする。周りが見えなくて相手を傷つけてしまうこともあるけど、言われればきちんと反省できること。

 実は真面目で、早起きで相棒のつぼみを毎朝起こしていること、ファッションに対する情熱。かなえたい夢のために努力していること。自分が「楽しい」行動をとることが、周りも楽しくすることだと理解していること。だからプリキュアとして作品をまたいで「楽しい」行動をとっていること。

 楽しい行動をとることこそが、みんなを幸せにできると信じているから。そんな友達思いの彼女が自分は大好きなのです。

プリキュア ハートキャッチプリキュア! キュアマリン 全プリキュア大投票 NHK
キュアマリン(左、画像はAmazon.co.jpから)

 NHK全プリキュア大投票は、女性の投票が73%、年代的には20代以下の投票率が77%と「若い女性」の投票率が高い結果となりました。自分らくしく生きる「キュアマリン」的生き方は、いまや若い女の子のスタンダードとなっているのかもしれません。


全プリキュア大投票結果(各10位まで)

■作品部門

順位 作品名
1位 ふたりはプリキュア 2004年
2位 ハートキャッチプリキュア! 2010年
3位 Yes!プリキュア5GoGo! 2008年
4位 HUGっと!プリキュア 2018年
5位 スマイルプリキュア! 2012年
6位 Yes!プリキュア5 2007年
7位 Go!プリンセスプリキュア 2015年
8位 ふたりはプリキュア Max Heart 2005年
9位 フレッシュプリキュア! 2009年
10位 魔法つかいプリキュア! 2016年

■プリキュア部門

順位 プリキュア名 作品名
1位 キュアブラック(美墨なぎさ) ふたりはプリキュア、ふたりはプリキュア Max Heart
2位 キュアホワイト(雪城ほのか) ふたりはプリキュア、ふたりはプリキュア Max Heart
3位 キュアマリン(来海えりか) ハートキャッチプリキュア!
4位 キュアドリーム(夢原のぞみ) Yes!プリキュア5、Yes!プリキュア5GoGo!
5位 キュアピース(黄瀬やよい) スマイルプリキュア!
6位 キュアパッション(東せつな/イース) フレッシュプリキュア!
7位 キュアレモネード(春日野うらら) Yes!プリキュア5、Yes!プリキュア5GoGo!
8位 キュアエール(野乃はな) HUGっと!プリキュア
9位 キュアミルキー(羽衣ララ) スター☆トゥインクルプリキュア
10位 ミルキィローズ(美々野くるみ/ミルク) Yes!プリキュア5GoGo!

■キャラクター部門

順位 キャラクター名 作品名
1位 モフルン(キュアモフルン) 魔法つかいプリキュア!
2位 ココ(小々田コージ) Yes!プリキュア5
3位 FUJIWARA原西 スマイルプリキュア!
4位 ダークドリーム 映画Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!
5位 レジーナ ドキドキ!プリキュア
6位 はぐたん HUGっと!プリキュア
7位 ナッツ(夏) Yes!プリキュア5
8位 坂上あゆみ(キュアエコー) 映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち
9位 ブンビー Yes!プリキュア5
10位 フワ スター☆トゥインクルプリキュア

■歌部門

順位 曲名
1位 DANZEN! ふたりはプリキュア
2位 プリキュア5、フル・スロットルGoGo!
3位 Alright!ハートキャッチプリキュア!
4位 プリキュア5、スマイル go go!
5位 DANZEN! ふたりはプリキュア(Ver.Max Heart)
6位 イェイ! イェイ! イェイ!
7位 パぺピプ☆ロマンチック
8位 HEART GOES ON
9位 ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪
10位 ハートキャッチ☆パラダイス!

「スター☆トゥインクルプリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション

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