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歴史資料の救出や保全を行うボランティア団体・歴史資料ネットワークが、台風19号被災地やそこで働くボランティアの人たちに向けて、水や泥で汚れた古い記録を捨てないよう呼びかけています。
歴史資料ネットワークは阪神・淡路大震災をきっかけに立ち上げられた、歴史研究者を中心としたボランティア団体。同団体によると、復旧の過程で出てきた資料は一見ゴミのようでも、地域の貴重な歴史を記録したかけがえのない財産である場合があるとのこと。カビが生えるなどして劣化した紙資料なども、適切な処置を行うことで修復が可能なため、すぐに処分しないよう求めています。具体的な歴史資料の例として、以下のものを挙げています。
歴史資料の例
- 古文書(くずした文字で和紙に書いたものなど)
- 古い本(和紙に書かれて冊子にしてあるものなど)
- 明治・大正・昭和の古い本・ノート・記録(手紙や日記など)・新聞・絵
- 写真やフィルム、ビデオテープやホームムービーなど
- 古いふすまや屏風(古文書が下貼りに使われている場合がよくあります)
- 自治会などの団体の記録や資料
- 農具、機織りや養蚕の道具、古い着物など、物づくりや生活のための道具など
こうした資料は旧家の母屋や蔵、その中の木箱や和箪笥、長持などから見つかることが多いとのこと。処置に困った場合には近くの教育委員会や、各地の史料ネットへの相談を勧めています。団体公式サイト上には、資料の修復方法を解説したページも公開中です。
水ぬれ資料の簡易修復
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