旅先で見知らぬ女性から声を書けられた男性と、一緒に旅行をしようと誘った女性。2人の道行きを描いた漫画「来復メメント」が、読む人の涙を誘っています。作者は漫画家の模勉みきひと(@momenmikito)さん。
年の瀬に旅行へでかけた直。駅で「一緒に旅行しませんか」と知らない女性・マユに声をかけられます。何か裏があるのかもしれないと懸念しつつも、直は彼女と1日旅行することにします。
遊園地で遊び、同じ旅館に泊まり……一緒に過ごすうちに、マユに恋をした直。それでも2人の間には何も起きず、別々に眠りにつくことに。夜中に目覚めた直は、マユのかばんにロープが入っているのを見つけ、彼女に出会ったときに自分と「おなじ景色」を見ているように感じたことを思い出します。
翌朝、笑顔で別れた2人。別れ際にマユは「またすぐに会えますよ」という言葉を残します。その言葉の通り、2人は程なく再会しました。自殺の名所である樹海の入り口の手前で。「ぜんぶ疲れたんです」。自分が空っぽになったことに気づいて、この場所へ来たのだと話すマユ。直に声をかけたのは、自分と同じ瞳をしていたからだと。そんな彼女に直は告げます。「君を迎えに来たんだ」
全てを失ってたった一人になり、空っぽになった直とマユ。その2人が出会ったことで、互いが互いの空洞を埋められる存在になったことが、じわりと胸にしみます。2人はこれからきっと幸せになれると確信できる、晴れやかな気持ちになれる結末でした。生きていればいいことがあると直を励ましたタクシーの運転手さんも、ほっこりするいいキャラ。
読者からは「泣きそうになった」「最高。心に刺さる」「色々と考えさせられました」といった感想の声や、タクシーの運転手さんへの「好き」というコメントが寄せられています。
「来復メメント」は第2回矢吹健太朗漫画賞で大賞を受賞した作品。模勉さんは、虐待から逃れるために罪を犯した2人の逃避行を描いた漫画『罪のない者だけが石を投げよ』を手掛けています。
来復メメント
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