サボりたい一心で自動化を追求する男の行く末は……? 風刺漫画「効率厨が在宅勤務で5000倍能率を上げる話」
世の中には「効率化するための工夫」を「ズル」と捉える人もいまして……。
在宅勤務を効率良くこなしてサボりたい! その思いだけで全作業を自動化してしまう男を描く漫画が、風刺のきいた内容で注目を集めています。作者はTwitterユーザーの太田亮(@dame_yume)さん。天才的ななまけ者の行く末は?
勤務先が在宅勤務体制に移行し、「ノルマさえ果たせばサボり放題」と喜ぶ主人公。全ての作業をプログラムで自動化しようと思いつきます。
業務の自動化など、そう簡単に実現できるものではありませんが、主人公は「できたわ」のひと言で難なく処理し、作業量の半減を達成。人間でしかできないと思っていた残り半分の作業も、人間並のAIをサクッと開発して解決しまいます。ただサボりたいだけで天才になるな。
その後も主人公の怠惰さと才覚はグングンと伸び、とうとう自分の身体を複製。AIと組み合わせてビデオ会議に出席させることで、フルにサボり放題な環境を構築します。ただサボりたいだけで神の領域に踏み込むなってば。
それでもなお効率化を追い求める主人公は、クローンを次々と増やし、5000人分ほどの働きを見せて社内で話題に。しかしそのカラクリは、会社支給の改造Webカメラから上司へ筒抜けだったのでした。
どうやらこの会社、「仕事」と「苦労」を混同している人しかいないらしく、上司は「やつは仕事などしていない!」と主人公を否定。それを知った同僚たちも「最低だな」「無能のクズめ……」と、悪口雑言を並べます。かくして、主人公は多大な成果を出していながら、表面上は苦労していなさそうなせいで解雇されてしまうのでした。
会社は主人公という無二の天才を手放してしまったわけですが、彼も結局は「心を込めて仕事をする方が、生産性を5000倍にするよりも大切」と改心させられ、自分の才能を全否定。「これからは愛に生きるよ……!」「履歴書だって手書きで書くぜ……」と、フワフワした決意をして漫画は終わるのでした。もっとも、最後の最後でそれがクローンの発言と明かされたので、オリジナルの意思までは分からないのだけれども。
「皮肉が利いていて好き」「むしろ上司が無能」「主人公は起業すればいいのに」など、漫画には多数の感想が寄せられました。「組織には成果より“やってる感”を重視する一面がある」「主人公が解雇されたのは、ほかの全社員が無能ということになって都合が悪いから」「『仕事を自動化したらクビになった』って話、現実にチラホラある」など、生々しい指摘もみられます。
作者の太田亮さんは、自身のサイトでWeb漫画「マグトランサー」「ユメウツツ」を連載中。両作品はニコニコ静画でも読むことができます(マグトランサー/ユメウツツ)。
作品提供:太田亮(@dame_yume)さん
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ブロックチェーンを学ぼう→鎖分銅で打ち合う地下格闘を観戦 “ITあるある”漫画シリーズが全部思ってたのと違う
むしろネビュラチェーン的な。 - 「今日から残業は禁止になりました」「マジか」 本当にありそうなブラック企業の漫画が絶望しかなかった
変に生々しいけれど、本当に「フィクション」でいいんだろうか……。 - 「最新スマホが高すぎて引いた」 スマホ買い替えに漫画に「わかりみしかない」と共感の嵐
最新モデルは画質もカメラも性能もすごいけど……。 - 「終わらないクレームはない」「現実は漫画よりむごい」―― 読むだけで胃が痛くなる“印刷会社営業マン”漫画はいかにして生まれたか
「読むだけで胃が痛くなる」と共感を呼んだ、漫画『印刷ボーイズ』シリーズの作者・奈良裕己さんを取材しました。(※漫画試し読みあり) - 社畜がブラック企業を潰そうと悪魔を召喚→思ってたのと違う…… 天使のような見習い悪魔の漫画に癒される
CV.遠藤綾さんで脳内再生しました。