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「終わらないクレームはない」「現実は漫画よりむごい」―― 読むだけで胃が痛くなる“印刷会社営業マン”漫画はいかにして生まれたか(1/2 ページ)

「読むだけで胃が痛くなる」と共感を呼んだ、漫画『印刷ボーイズ』シリーズの作者・奈良裕己さんを取材しました。(※漫画試し読みあり)

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 「印刷業界の内幕」を描いた漫画『印刷ボーイズ』シリーズをご存じですか。内容は、中規模の印刷会社「ナビ印刷」に勤務する営業マン「刷元正」(すりもと・ただし)が、次々と襲い来るミスやトラブルに巻き込まれる姿を描いたもの。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー いとしの印刷ボーイズ』『印刷ボーイズは二度死ぬ』(学研プラス/プロデュース・構成・編集:石黒謙吾)

 単行本いとしの印刷ボーイズとその続編印刷ボーイズは二度死ぬ(学研プラス)は、どちらも発売後たちまち重版がかかる人気に。「誤植」「誤字脱字」「版ずれ」、さらには印刷物に登場する俳優が薬物使用により逮捕されたために起きる「差し替え」などなど、トラブルがつきものの印刷業界。深々と頭を下げつつ、最良の印刷物を納品しようと懸命に生きる印刷ボーイズの姿が、「どこの業界も大変なんだな」「共感できる」と、多くのサラリーマンやクリエイターたちから熱い支持を得ています。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」(※『印刷ボーイズ』シリーズのWeb連載版。以下、ページ画像は基本的にWeb版から抜粋しています)第3話より

 作者の奈良裕己(なら・ゆうき)さん自身、かつては印刷会社の営業マンだったといいます。奈良さんが業界漫画『印刷ボーイズ』に込めた思いを聞きました。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 『印刷ボーイズ』の著者、奈良裕己さん(@bomangamagazine


営業マンがひたすら謝る漫画

―― 『印刷ボーイズ』は、印刷とは関係がない業種の方にも好評だそうですね。

奈良裕己(以下、奈良) 「主人公の気持ちが分かる」という反応を多くいただけて、うれしいです。この間も、全然印刷関係じゃないメーカーの広報の方から「面白いです」って言ってもらえて驚いたんです。印刷業界の用語が飛び交う、かなりマニアックな内容なので意外でした。

―― 確かに、印刷会社が舞台という設定そのものが、マニアックですよね。

奈良 印刷の現場を描いた漫画は過去に何作かあったんです。ただ、営業マンが主人公で、受注から納品まで、こんなに印刷の行程を細かく説明した漫画はなかったでしょうね。

―― 印刷業界の漫画を描くきっかけは、なんだったのですか。

奈良 もともとアイテム情報雑誌「GetNavi(ゲットナビ)」でイラストの仕事をしていたんです。そしてWeb版「GetNavi web」が立ち上がり、2016年に「漫画の連載をやりましょう」とお声掛けをいただいて。それで「子育て漫画」と「印刷業界の漫画」の企画を提案したんです。僕自身が印刷会社の営業マンだったので。すると編集部の方が「子育て漫画はすでにたくさんあるし、印刷ってあんまりないからやってみよう」と気に入ってくださって。そうして連載今日も下版はできません!が始まりました(※)。

下版:げはん。最終データを製版から印刷へ移すこと。下版後の修正や変更は基本的にできないため、営業マンたちはこれ以上のミスが見つからないことをひたすら祈る

―― プロが使う印刷用語が容赦なく登場する点が画期的ですし、真実味を帯びていて引き込まれました。それに絵柄がギャグタッチなので読みやすいです。

奈良 営業マンが謝ってばかりでシリアスになりがちなので、ギャグっぽくしたほうが読者の気持ちが入りやすいかなと思ったんです。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第5話より

実際の印刷の現場は漫画よりキツい!

―― 『印刷ボーイズ』を読んで初めて知った知識がたくさんありました。例えば「グラビアアイドル」の「グラビア」が、もともとは印刷方法を指していたのだとか。

奈良 そうなんです。「グラビア」とは写真画像の再現性が高い印刷方法なんです。けれども、このごろはオフセット印刷の技術が向上していて、いわゆる「グラビア」と呼ばれるページも実はオフセット印刷(※)である場合が少なくはありません。

※オフセット印刷:短時間で大量に刷り上げることが可能な印刷方法

―― ということは、これからはグラビアアイドルではなく「オフセットアイドル」と呼ぶのが正しいのかも。アイドルと言えば、「画像修正の魔術師」と呼ばれる凄腕の技術者が、アイドルの「ほくろ」を汚れだと見誤って取ってしまうエピソードがありましたね。ああいうトラブルは実際に起きるのですか。

奈良 アイドルのチャームポイントである「ほくろ」を消してしまったエピソードは、現実にあった出来事なんです。デザイナーが「汚れだ」と思って、気を利かせて取っちゃったんですよ。ただ、漫画と違って、色校(※)の際に、「おい、この子のほくろがなくなっているぞ!」って気がついた人がいましてね。その人のおかげで急きょ、ほくろを復活させたので、なんとか世の中には出回らなかったんですが。

※色校(いろこう):色校正の略語。色指定した部分が意図した通りに刷られているかを確認する試し刷りの作業、もしくは、その作業を施した印刷物


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第16話より

―― ほくろ復活! あれは実際の話だったのですね。『印刷ボーイズ』には、読んでいて胃がキュッと痛くなるほどたくさんのトラブルが登場します。これらは実話なのですか。

奈良 全て起きうるミスです。漫画に登場するトラブルの多くは、実際にあった話を下敷きにしてはいます。けれども「コミックエッセイ」を描くつもりは全然ないんです。ドラマの展開自体は、あくまで創作です。実際に起きた、あるいは起きうるミスやトラブルをもとに、オリジナルの物語を考えて描いています。

―― 物語自体はフィクションなんですね。ほっとしました。主人公である営業マンの刷元の電話が鳴るたびに読んでいてヒヤヒヤするのですが、本当はあそこまでトラブルは起きないですよね。

奈良 いや、逆なんです。

―― え? 逆?

奈良 本当は、もっとむごいんです。というのも、漫画だと、一つのミスから一つのストーリーをつくるじゃないですか。でも、実際の現場では、ミスやトラブルは同時多発するんです。

―― ミスやトラブルが同時多発……。これからは、どんな印刷物でも涙なしでは読めないです。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「実際の印刷事故は、漫画よりも悲惨なんです」と語る奈良さん

カッターで指を切るのも「業界あるある」

―― 印刷会社にはどれくらいの期間、お勤めだったのですか。

奈良 大学を卒業して、主人公が働くナビ印刷と同じくらいの規模の印刷会社に3年くらいいました。そのあと広告の制作会社などを転々とし、最終的に凸版印刷という大きな会社で7年ちょい営業をやって、独立しました。

―― 著者自身が印刷会社の営業出身だから、とてもリアルです。印刷見本を作る過程で、誤ってカッターナイフで指を切ってしまう描写など、「ありそう」と思いました。イヤな痛みが伝わってきます。

奈良 カッターで指を切るのは、新人のころは誰しもよくやる「あるある」なんです。僕も指を切りました。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第4話より

―― 印刷物のミスを消す地味でしんどい作業なども、ご自身の経験なのですか。

奈良 「つんつん大会」(※)とか「シャッシャ隊」(※)とか、けっこうやっていました。そういった内情を描くから、実は批判の声もいただくんです。「ここまで言うな」「こんなことまで描いていいのか」「お客さんに秘密にしていたのに」って。でもそういった行為は、営業マンたちの「少しでもきれいな、いい印刷物を納品したい」という気持ちの表れなんだと知ってほしかった。怒られるたびに、そう説明をしています。「言い訳だ」と言われたら、それまでなんですが。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第1話より

※つんつん大会:紙の粉やインクの気泡が原因で印刷物に表れる白い斑点。これを発見すると営業マンたちはボールペンなどで斑点を「つんつん」しながら消す。会社総出で行う様子は、さながら大会である


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第13話より

※シャッシャ隊:インクの裏移りなどで汚れてしまった箇所を発見すると、営業マンたちはカッターナイフで「シャッシャ」と削りとる。会社総出で行う様子は、さながら部隊である


仕事を家庭に持ち込んで家族から嫌がられる

―― 主人公である刷元が家庭にいても仕事が忘れられず、家族から疎ましがられる描写も「分かる分かる」と思いました。

奈良 やっぱり普段の生活にも仕事のクセが出てきますね。例えば妻がA4ノートとB5ノートを間違って買ってきちゃって、つい「それA4じゃないでしょ。B5でしょ。A4は“にーきゅーななにひゃくとう”(210mm×297mm)だよ」とか口に出してしまう。すると、「そんなの知らないわよ!」って怒られて、家の中がシラーッとして。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第9話より

―― 主人公の刷元は、奈良さんご自身と重なる部分が多いんですね。

奈良 完全に我が家での反応をモデルにしています。うちも妻と娘の3人家族で、そういう点で刷元のモデルは僕だと言っていいかな。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 印刷会社を辞めた現在も、街に貼られたポスターの紙質や印刷状態が気になり、家族からいやがられるという

―― 営業マン時代はもうご結婚をされていたのですか。

奈良 結婚し、すでに幼稚園児の娘がいました。そのため会社を辞めるとき、周囲からは反対の声しかなかったですね。「家族があるのに、名のあるいい会社を辞めて、サラリーマンを辞めるだなんて。お前はバカだ」と誰からも反対されました。

―― フリーランスは収入が不安定なので、僕も「勇気があるな」と思います。ちょっと「もったいない」とも。

奈良 ちょうど人生の分岐点だったんです。会社でさらに頑張って出世を目指すのか、それともフリーになって好きなイラストや漫画を描く生き方を選ぶのか。そこで決断しました。失敗しても、どうにでもなるだろうって。


印刷物に「毛がはさまっていた」というクレーム

―― そもそも、なぜ、就職先に印刷業界を選んだのですか。

奈良 子どものころから絵を描くのが好きで、印刷には興味がありました。とはいえ正直、強い志があったわけではないんです。広告系や印刷系を中心に就職活動をしていて、最初に受かったところになんとなく入社したというだけで。なにか「これをやりたい」とか、希望は特になかったんです。

―― 実際に営業マンになってみて、いかがでしたか。

奈良 「こんなに謝らなきゃいけないんだ」と驚きましたね。お客さんに怒られ、上司に怒られ、現場の職人さんに怒られ。褒められることが、まず「ない」仕事です。自分のミスじゃないし、自分の意志じゃどうにもならない場合もある。でも、お客さんは営業マンに怒るんで、自分が謝んなきゃいけない。

―― 「納品したダイレクトメールの束のあいだに縮れた毛(おそらく股間に生えていたもの)がはさまっていた」というクレームのエピソードが登場しますが、これなんて、印刷のミスですらないですもんね。

奈良 あれは、僕の実際の体験なんです(苦笑)。「呪われた仕事」と呼んでいるのですが、なぜか毎回のように事故る仕事があって。僕はDM(ダイレクトメールの略)の受注を担当することが多かったんですけれど、必ずと言っていいほどクレームがくるんです。「破れていた」とか「雨にぬれて、びちょびちょだ」とか。そのたびに謝りに行って。そういう、イヤな思い出がありますね。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第11話より

―― 自分のせいじゃないのに謝るときは、どういう気持ちなんですか。

奈良 心を無にするしかない。事故ったり、トラブったりばかりの時はやっぱり気持ちが沈みます。けれども先輩から「終わらないクレームはない」と言われたんです。やまない雨はない、みたいな。確かにそうだなって。一生続くクレームはない。いつか終わるし、ぶっちゃけ「死ぬわけじゃないや」って。そう思えてからは、楽になりました。


どうすりゃいいんだ。「もっとおいしそうに」という指示

―― クレームだと心を無にして謝るしか方法がないのでしょうが、「難解な発注」は対応の仕方が分からなくて困りますよね。何度色校をやり直しても、「青空の色が気に入らない」とOKしないクライアントとか。あのエピソードは、「こりゃ営業マンは大変だろうな」と思いました。

奈良 ああいうケースはよくあります。食べ物の写真に特に多いんです。色校の用紙に「もっと、おいしそうに」「もっと、みずみずしく」と書いてくる。発注するお客さんは印刷のプロじゃないんで、正しい赤字の入れ方なんて知らないわけです。そのため、指示の仕方がバラバラでね。本当に人それぞれなんです。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第35話より

―― 「おいしそうに」って書かれても、現場は困りますね。おいしそうの感覚は人それぞれですもんね。

奈良 あと、「もっとシズル感を出して」とか。当時「シズル感」って言葉が業界内で流行ったんです。だから「シズル感」という言葉を覚えたばかりの人だと、めっちゃ「シズル感」「シズル感」って書いてくるんです。

―― 「シズル感」って、いまだに何だかわかんないですよね。そして、そんな無理難題に立ち向かう技術者たちの姿がみんなカッコよくて描かれていますね。特にバイクに乗って現れる「さすらいのPD(※)」にはほれぼれしました。

※PD:プリンティングディレクター。インク、用紙、印刷など工程の全てに精通するスペシャリスト

奈良 あのキャラクターにはモデルがいるんです。僕が営業マン時代に、バイクに乗ってやってくるPDさんがいたんです。漫画のようにハーレーではなくて、BMWのバイクで、工場にさっそうと現れてね。そして、色を確かめたら、さっと帰ってゆく。「かっこいいな」って思ってたんです。この方に限らず、PDさんには何度も助けられました。打ち合わせで、お客さんが求めている色を自分のなかでイメージして、インクを微調整して印刷に反映させていくっていう。あれは僕には絶対にできないんで。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第56話より

現場にいるカッコいい人たちを描きたい

―― 『印刷ボーイズ』を読んでいると、技術者や職人さんたちへのリスペクトが根底にあるのがいいなと感じます。みんなおっかないし、頑固なんだけど、頼れる。彼らにもモデルがいるのですか。

奈良 いますね。営業マンは、現場の職人さんにすごく助けられるんです。怒られますけど、助けてももらえる。そういう人たちって、あんまり表に出ないじゃないですか。僕は工場でひたむきに働く職人さんに光を当て、「かっこいい人もいるんだよ」ってことを知ってもらいたかった。それが、この漫画を描きたくなった動機の1つでもありました。


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「今日も下版はできません!」第23話より

―― 営業マン時代の経験は、漫画を描くときに役立っていますか。

奈良 役立っています。何よりも、「スケジュールを守ること」がいかに重要であるか、それを分かっているのは営業をやっていたからこそです。漫画って「自分が描いたら、もう終わり」って、つい考えがちなんです。でも印刷には、いろんな人が絡む。色校を出す日が決まっていて、下版の日が決まっていて、誰かが遅れたらスケジュールが全部崩れてしまう。僕が今やっている漫画の仕事も、ラフを書いて、ネームを出して、締め切りがあって、絶対にデッドラインってあるじゃないですか。そこは、何が何でも死守するっていう。これは印刷会社の営業マン時代に培った、僕の血となり肉となっている考え方ですね。

―― なるほど。僕も『印刷ボーイズ』を読んで、自分が書いた原稿で、こんなにたくさんの人が動くんだ、こんなに待っている人がいるんだと改めて考えさせられました。とは言いつつ、遅れてしまうんですが……。

奈良 印刷会社に入った時、まず先輩に言われたのが、「お前が伝票を書いた瞬間から、いろんな人が動くんだぞ」という言葉でした。受注をしたらまず伝票を書くんです。その1枚の伝票が、多くの人を動かす。伝票は、「仕事は自分一人じゃ成りたたない」という証なんです。漫画を描くときはいつも会社で伝票を書いた日を思い出し、「この瞬間から、いろんな人が動くんだ」という気持ちを忘れずにいます。だから、やっぱり遅れちゃダメです。

―― 「仕事は自分一人じゃ成りたたない」という奈良さんの思いは、どのコマからもにじみ出ていますね。クセがあるキャラクターばかりが登場しますが、みんないいものをつくりたいという気持ちで一つになっていて、愛せます。

奈良 営業をやっていたときのモチベーションは、やっぱり「達成感」だったんです。みんなでしんどい目に遭いながらも下版した印刷物を納品したときの達成感。本当に気持ちがいいんです。一緒に働く仲間との連帯感も生まれますし。ブラック企業はもちろん論外として、この漫画では「やんなきゃいけない時は、やんなきゃいけない」っていうところを描きたいですね。トラブルがあったら、協力しあってなんとか対処する。仕事って、そこが面白いんじゃないかな。この漫画を読んで、「働くことって面白い」って感じてもらえたらうれしいです。

―― 今後はどのように考えていますか。

奈良 同人誌の世界に印刷ボーイズが関わっていく展開を考えているんです。コミケなんて、これほど印刷が熱い世界はないですからね。

―― コミケに翻弄される印刷ボーイズ……奮闘する刷元たちの姿が目に浮かびます。期待しています!


印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー 「印刷ボーイズを通じて『仕事って楽しいんだ』と伝えたい」と語る奈良さん


『印刷ボーイズ』シリーズのWeb連載版「今日も下版はできません!」試し読み


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印刷ボーイズ 奈良裕己さんインタビュー

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(C)Yuuki Nara/Gakken


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