ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
連載

あぁ懐かしの「いい旅チャレンジ20000km」 令和のデジタル環境で国鉄時代の濃いアナログゲームやってみたやすこーんの「くらしの鉄道」(2/4 ページ)

「あの頃」にマジ参戦していた達人の皆さんをお呼びして、いざ! ……ホントにできるのか?

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

国鉄時代の懐かしアナログボードゲーム、「現代のデジタル技術を駆使」してやってみました

 しかしみんなで集まってボードゲームを囲んでワイワイ……はまだ当分できそうにありません。どうしましょう。こうしましょう。

いい旅チャレンジ20000km
Zoomでボードゲーム、濃いメンバーの4人でいざプレイ。画面の1つは定点でボードを映しておく

 はい、Zoomです。Zoomのアカウントを私が2つ作り、1つはiPadのカメラで参加者(顔出し用)として、他方はiPhoneを定点カメラにしてボードを映しながら、私がコマを動かせばよいと考えつきました。このゲームは、それぞれ手持ちのカードを見せつつ進行していくので、問題ないはずです。

 ゲーム参加者は、かつて実際にチャレンジ20,000kmに参加したことのある知り合いの方々。ご協力ありがとうございます。画面左下から時計回りにご紹介します。

瀬端浩之さん/1962年生まれ(日本旅行勤務)

 会員ナンバー240。チャレンジ20,000kmが始まった当時は高校生。既に結構乗りつぶしていたので、1981年に50線区踏破した後は申請せず、82年に国鉄完乗。

いい旅チャレンジ20000km
Zoom in瀬端さん

齋藤慎太郎さん/1973年生まれ(鉄道会社勤務)

 小学生〜中高生の頃まで参加し、80線区まで踏破。その後も乗りつぶしは続け、2000年にJR完乗。

いい旅チャレンジ20000km
Zoom in齋藤さん

栗原景さん/1971年生まれ(フォトライター)

 会員ナンバー17390。小学3年生から参加、30線区踏破。瀬端さんとは中学生時からの知り合い。2012年に嵐の中、JR完乗。雨男として鉄道業界では有名。

いい旅チャレンジ20000km
Zoom in 栗原さん

 そして定点で映しておく「いい旅チャレンジ20,000km」のボード画面、一番下の画面が私です。

いい旅チャレンジ20000km
ゲームボードは242線区のうち、45線区を選んで作られている

 ゲームのルールを簡単に説明しよう……と思いましたが、結構複雑なのでやめました。試しに説明書を読んで1人でプレイしてみましたが、さっぱり分かりません。大丈夫か。

 ルールもですが、実際にこの頃の特急路線が分かっていないと、プレイは難しそうです。取りあえず、ゲームを進めながらルールも説明していきます。

いい旅チャレンジ20000km
1人に5枚ずつ配られる特急カード。表は写真、裏は路線図が書かれている
いい旅チャレンジ20000km
特急カード全種類
いい旅チャレンジ20000km
春休みカード。目的地を選んで進む 下左が夏休み、下右が冬休みカード
いい旅チャレンジ20000km
得点ボード。踏破した路線に、黒いピンを刺していく

 「そういえば、栗原さんがチャレンジ20000kmに参加したのはこのゲームからだったとか?」

栗原さん 「ゲームの外箱に会員になる方法が書いてありました。それがきっかけです」

いい旅チャレンジ20000km
外箱に書かれた郵送による参加方法。今思えば、すごいメディアミックス

 「おお! ではゲームのルールはよくご存じですよね。頼りにしてます!」

 それぞれのコマはこうなりました。各自が最初に使う特急カードも決めました。

  • 瀬端さん(緑・キハ183系)/出雲
  • 齋藤さん(赤・583系)/みちのく
  • 栗原さん(青・EF65)/使わず、普通列車
  • 私(黄色・0系新幹線)/はつかり

いい旅チャレンジ20000km
東京駅からスタート。コマはギュウギュウだ
いい旅チャレンジ20000km
それぞれのコマと特急カードを即席で表にした

 この順番で、ルーレットを回していきます。ところでアナログルーレットの回りが悪かったので、スマホアプリでルーレットを作りました。配置と幅を同じに設定してあります。まず、瀬端さんからスタート。

いい旅チャレンジ20000km
付属するルーレット(左)は回りが悪かったので、アプリでデジタルルーレットをこさえた(右)
いい旅チャレンジ20000km
カメラに向けて皆さんに見えるように回す

瀬端さん 「じゃあぼくは特急 出雲で、東萩を目的に進みます。ルーレットは5、だから……」

栗原さん 「特急を使うときは倍の数になるから、10コ進んで……豊橋まで行けますね」

 「なるほど、特急を使うと出た数字の倍進めるんですね。1、2、3、4と……」

いい旅チャレンジ20000km
はいつくばってコマを進める私。カードもルーレットも全部私がやる

 豊橋駅は赤いマス。赤いマスの駅では「アクシデントカード」を引かなくてはなりません。カードは裏返して山にしてあります。引くのは私ですが、引いてみないと何が出るか分かりません。

いい旅チャレンジ20000km
さまざまなトラブルに見舞われるアクシデントカード

 引いたカードは「右隣の人から好きな特急カードを引いて、特急カードの山のいちばん下へかえす」とありました。右隣……Zoomだとよく分かりませんが、「次の順番の人」ということにします。齋藤さんが、理不尽にもいきなり1枚カードを取られてしまいました。このお二方は、今日が初対面。いきなり関係性がギクシャクします。ま、まずい……。

齋藤さん 「ぼくは、みちのくを使います。東北本線で、旭川に向かいます」

 出目は1。倍の2つ進んで水戸へ到着。

栗原さん 「懐かしいですね。みちのく583ですねー。ぼくは、最初は普通列車で行きます」

 あえて特急を使わない、という手もあるのですね。実際のチャレンジ20,000kmでもそうでしたが、関東近県の短い路線を回って「踏破数をかせぐ」のは常套手段だったようです。短くても1路線。例えば山手線ならば、品川・新宿・田端で写真を写せば1路線踏破したことになります。

 ルーレットは「時間」に止まってしまいました。数字以外に「時間」という項目があり、ここに止まると日にちが1日進みます。春休みは10日間なので、10回「時間」が出ると、春休み終了となってしまうのです。

 栗原さんのコマは東京駅から動けず。す、すみません……。

 自分の番では、しっかりコマを進めます。私は旭川を目指し、はつかりで郡山へ。

 再び瀬端さん。2が出て出雲を4つ進めます。それにしてもゲームに出てくる特急が、現在はもう走っていないものばかりです。

瀬端さん 「この頃の出雲には上りの鳥取から乗りましたね。食堂車がありました」

齋藤さん 出雲は下りでしか乗ったことないですけど、岡崎で保安故障で、どこかで降ろされて食堂でご飯食べましたねー。そうそう、大社線の50線区踏破した時の終着駅の写真を見つけました」

いい旅チャレンジ20000km
1989年、大社駅で踏破する齋藤さん。お若い(画像提供:齋藤さん)

 大社駅は大社線廃止に伴い、翌1990年に廃止となりました。私も大好きな寝台特急サンライズ出雲に乗って何度か大社駅に行きました。大社駅に列車が入って来る姿を、一度見てみたかったです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る