新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、オリンピックは延期となり、お盆の帰省も自粛ムードに――。そんな2020年の夏が舞台の漫画「お盆にZOOMを覚えようと頑張るおじいちゃんの話」が感動的だと好評です。作者は漫画家の根田啓史(@dorori_k)さん。
「おじーちゃーん! げんきーーー!? いけなくてごめんねぇーー!!」と、タブレット端末から孫の声。帰省できない代わりにと、息子がZOOMで発信してきたようですが、当のおじいさんは「そんなもので盆を済まそうなど」と不機嫌そう。妻になだめられても画面を見ようとすらしません。
急に通話が切れて、息子は「やっぱタブレット送るだけじゃ分かんないよなぁ」とぽつり。一方、おじいさんは楽しみにしていた東京五輪に思いをはせ、このまま中止になってしまったら……と心配している様子です。
「また別の楽しみを探せばいいんですよ」と楽観的なおばあさんに対し、「せっかく巡ってきた2人で見るチャンスなのに……!!」と真剣な顔で話し始めます。
「いいんですよそんな大昔の約束……」とおばあさん。さらに「それに“あのとき”言ってくださったじゃありませんか。1秒でも長生きして私の知らない未来を見聞きするって。“あっち”で私を飽きさせないためにって」と続けます。回想した“あのとき”の場面には、病床にいる女性と泣きじゃくる青年が――。
物語の最後、おじいさんはタブレットを起動し、息子に「ずーむとやら教えんかァ!!」と迫ります。ZOOMの通話だって、「妻の知らない未来」の1つなのですから。
「涙が止まらない」「優しくて大好き」とTwitterで絶賛されたこの漫画。おじいさんと妻の「大昔の約束」とは、1964年の東京五輪観戦だったのではないか? その開催前に妻は亡くなったのでは? 息子の言う「むだに買ったチケット」とは、おじいさんが妻の分まで入手した2020年大会のチケットなのでは――と、考えるほどに味わい深く、心にグッと来ます。
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