孤独死したおじさんが、お盆に妻や娘がお墓参りに来るのを待ち続ける創作漫画「お墓に参ろう」が反響を呼んでいます。作者は漫画家の泉紗紗(@sasa_iky)さん。
自分のお墓に座っている、享年58歳のおじさん。おじさんの周りのお墓にも、あの世から帰ってきた人たちがたくさん座っています。亡くなった人はお盆になるとこうしてお墓に座り、墓参りに来る親族を待っています。そしてお参りに来た親族と過ごし、お盆が終わるころにナスビに乗ってあの世に帰るのです。
しかし、周りのお墓には続々と親族がやってくるのに、おじさんのところには来ません。おじさんには妻も娘もいましたが、生前は仕事ばかりで家族を顧みず、愛想を尽かされてしまいます。妻は離婚後、外国人と結婚して海外に移住。ヤケクソになったおじさんはさらに仕事に打ち込み、忘年会で一気飲みをしてポックリ……。
あまりにも誰も来ないのでくつろいでいると、2人の外国人が墓前にやって来ます。「どちらさま?」と戸惑うおじさんをよそに、水を勢いよくかけ、お墓をキラキラに掃除してくれました。なんと2人はおじさんの孫で、母親にも祖母にも内緒で墓参りに来たのでした。「会えて嬉しい!! おじいちゃん!!」という孫の言葉に、おじさんは待っててよかったと号泣。そして、2人の母親(おじさんの娘)が、今もおじさんのことを話していると知って、さらに涙を流すのでした。
日が暮れるまで誰も来てくれず、諦めかけていたおじさんですが、予想していなかった孫の登場に涙腺が大崩壊。おじさん、孫たちに会えてよかったね。もし、自分のご先祖さまもこんな風にずっと誰かが来るのを待っているとしたら……切ない。お盆はお墓参りに行こう、と思わせてくれる漫画です。
この漫画の読者からは「素直に泣けた。墓参り行こう」「身近で、当たり前すぎることだと思うのだけど、とても大切なこと お盆参りはそれを考えるよい機会」「おじさんの最後の泣き顔ほんと好きです」などのコメントが寄せられています。
この漫画は、泉さんが以前に雑誌で賞を獲得した作品。泉さんは現在、銭湯漫画『ゆとのと』を連載しています。
お墓に参ろう
画像提供:泉 紗紗(@sasa_iky)さん
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