「子どもの勉強をうまく見られてるかなと思ったらそうでもなかった」と、失敗談をつづる漫画が共感を呼んでいます。作者は『こどものグルメ』の作画などを手がける漫画家・イラストレーターの安倍吉俊(@abfly)さん。
安倍さんは普段から7歳の娘のそばについて、算数と国語の宿題を見ています。学習内容は足し算と引き算、漢字の書き取り。分からないところがあれば質問に答えたり、ときにはがんばりをほめたり、「割とうまくやれているのでは」と自負していました。
しかし、家庭学習では理解できているはずなのに、娘さんは学校のテストの結果がかんばしくありません。答案を見ると、ケアレスミスによる失点が多い様子。理解度を確認するために「1センチは何ミリ?」などとおさらい問題を出してみると、「えー100ミリ?」といった調子で、どうやら学んだことがどれもうろ覚えになっているようです。
そこであらためて学習の様子を観察してみて、娘が質問してくるときのクセに気付きました。彼女は「“ひかる”(の送り仮名は)“光かる”だよね?」と試しに質問を投げ、安倍さんが「いや……」と言葉を濁すと「じゃあ“光る”だ」と確信するなど、親の反応を見て答えを絞り込んでいたのです。
娘はズルをしようとしているわけではなく、答えを知っている人間がとなりにいるので、考えるよりつい聞いてしまうのだろうと、安倍さんは分析。聞けばいいと思っているので真剣に覚えようとしないし、すぐ聞くクセのせいで、自分で考えなくなってしまったのだと気付きます。
子どもの勉強をしっかり見ているつもりで、自分がいつの間にか“子どもにとって便利な検索エンジン”になってしまっていたと、安倍さんは反省。いったん娘の質問を禁止し、10問解けたら一緒に答え合わせするよう、やり方を改めました。結果は上々で、娘は数日のうちに、自分で正解を出せるようになったそうです。
「自分で調べて考える」ことの大事さを伝えた漫画は好評。「自分も娘の検索エンジンになっていました。気付かせてくれてありがとう」「失敗に気付けただけですごい。しっかり見ていたからこそ」「教える側も教育の仕方を学ぶ必要があると痛感」など、さまざまな反応を呼びました。
「塾でも似たような現象が起こるので、どうやって生徒に考えさせるか工夫がいる」「本当に分からなくて聞いてくるのか、ただ楽をしたいために聞くのか、見極めが大切」など、教育者から参考意見も出ています。
作品提供:安倍吉俊(@abfly)さん
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