渋谷の青ガエルはどこ行った? 東急5000系を追いかけて秋田・大館のモンスター駅弁を食らう旅:月刊乗り鉄話題(2020年11月版)(2/3 ページ)
渋谷駅前にあったミドリ色の電車、覚えていますか? いま、秋田にあるんです。
大宮駅から秋田新幹線で秋田へ 東京でなく大宮から乗った理由
今回の旅は10月3日、大宮駅から秋田新幹線「こまち5号」に乗りました。
東京ではなく大宮から。私は東急田園都市線沿線に住んでいます。これまでJR東日本の新幹線に乗るときは、半蔵門線に直通して大手町、丸ノ内線に乗り換えて東京駅から乗車していました。
しかし今は違います。2020年6月1日、青ガエルがあった渋谷駅は埼京線・湘南新宿ラインのプラットホームが山手線の隣に移動し、乗り換えがとっても便利になりました(関連記事)。今回の秋田への旅も、乗り換え検索アプリで大宮経由が最短と表示されるようになりました。
大宮駅で在来線改札内の「駅弁屋 旨囲門」へ。東北地方の駅弁を中心に最大100種類の駅弁を扱う店です。「こまち5号」は大宮発7時58分、秋田着11時25分ですから、朝ごはんと昼ごはんを買わなくちゃ。今夜、8人前の巨大鶏めし駅弁を食べるというのに何をやっているんでしょうね。
しかも買った駅弁は「信州名物山賊焼弁当」と「八ヶ岳高原の鶏めし」です。そうです。私は鶏肉が大好きなのです。むしろ鶏肉になりたい。そろそろ肩甲骨あたりから羽根が生えてもおかしくない(ウソ)。
約3時間半の車中は、駅弁を食べて寝て駅弁を食べて終わりました。秋田から大館まで、各駅停車で約2時間です。大館、けっこう遠いな……。いえ、実は東京から大館へ行くならば、羽田空港から飛行機で大館能代空港へ行く方が早く着きます。鉄道でも「はやぶさ」に乗って新青森駅で乗り換える方が早く着きます。
私としたことが、「秋田に行くならばこまち」と思い込んでいました。でもこまちの在来線区間の方が、東北新幹線のトンネル&高架線より景色を楽しめると思います。負け惜しみじゃないぞ。
秋田犬の里で青ガエルと再開 「右側面」も見られるよ
大館駅に到着。駅前で早くも秋田犬のお散歩に出会いました。さすがは秋田犬の里です。飼い主さんのご厚意で真っ白なフワフワをモフモフさせていただきました。
駅前バスロータリーの向こうに花善本店。しかしまだ予約の時間には早い。ホテルにチェックインして荷物を降ろし、秋田犬の里の建物を迂回して広場へ。青ガエルさんと再会です。いやー、何だか広々とした場所でいいね。ハチ公前広場はかなり窮屈だったからね……。
この電車は東急旧5000系の先頭車「デハ5001形」です。「デ」は電動車のデ。JRだとモーターの「モ」になるところ、東急など私鉄ではデを採用した会社があります。「ハ」はJRと同じで普通車を表します。昔の等級で3等車。イロハのハですね。
5000系は電動で運転台付きのデハ5000形、電動中間車のデハ5100形、運転台付きのクハ5150形、モーターを持たない中間車のサハ5350形を組み合わせて列車を編成していました。
5000系は1954年から1959年にかけて製造され、東横線の急行のほか、田園都市線、大井町線などで活躍しました。東急線で新型に役目を譲ると、全国の地方鉄道に譲渡されました。デハ5001形はデハ5000形の車体番号1番で、東急線を引退した後は長野県の上田交通(現・上田電鉄)に移り、1993年まで運用されました。
その後、東急電鉄に返却されたのち、車体のみ渋谷駅のハチ公前広場に設置され、駅のシンボルとなりました。この時に東急電鉄から渋谷区に所有者が移ったようです。今回の移転は、ハチ公が結ぶ渋谷区と大館市の友好の印でもあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.