渋谷の青ガエルはどこ行った? 東急5000系を追いかけて秋田・大館のモンスター駅弁を食らう旅:月刊乗り鉄話題(2020年11月版)(1/3 ページ)
渋谷駅前にあったミドリ色の電車、覚えていますか? いま、秋田にあるんです。
東京・渋谷駅ハチ公前広場にあったミドリ色の電車を覚えていますか。おにぎりみたいな形で、通称「青ガエル」、正しくは東急旧5000系(*)といいます。あの電車、もう渋谷駅前にはいません。……ご存じでしたか?
筆者の周りにも驚く人が何人かいました。外出自粛で渋谷に行く機会が減ったのかもしれません。いつもあると思っていると、なくなったところを見て初めて気付く。そんなものです。
もちろん鉄道ファンの間では話題になりました。今年(2020年)の鉄道10大ニュースの1つ……いや、鉄道の話題はほかにもいろいろあったな。ええっと、少なくとも、渋谷区の鉄道10大ニュースに入ると思います。……よね?
渋谷駅前の青ガエルは、2020年8月3日の深夜に撤去され、トレーラーに載せられて旅立ちました。目的地は秋田県大館市です。
何でまたそんなに遠くへ? 実は大館市は秋田犬誕生の地。渋谷駅のシンボル、忠犬ハチ公のモデルも大館からやってきました。その縁で、今度は渋谷駅前の青ガエルが大館市のシンボルとして活用されることになったわけです。
渋谷駅前は2020年現在大規模な再開発が行われており、駅前広場も一新されます。青ガエルの扱いがどうなるか、鉄道ファンは心配していました。遠く離れてしまいますが、解体されなかっただけでも十分にありがたいことです。
でも、もしかしたら渋谷のハチ公像は「なんでおまえが行くんだよ、僕のふるさとだぞ」なんて思っているかも……。
青ガエルは8月6日午前に大館市に到着しました。保存展示場所は大館駅前の観光施設「秋田犬の里」の裏手の広場です。しばらく安置された後、11月1日から8日まで一般公開イベントが行われ、車内も開放されました。その後、本格的な補修作業のため修理工場に移送され、2021年春に戻ってくる予定です。
大館駅もう1つのビッグニュース→「あの鶏めしがウルトラ巨大化!!」これは食べねば
2020年、秋田の大館駅ではもう1つビッグなニュースがありました。6月5日、駅弁「鶏めし」を製造販売する花善が、6月30日までの期間限定で「デカ盛り鶏めし」を販売。直径40センチの大皿に8人前をぶち込み、重量2キロのモンスター駅弁を誕生させました。これが好評で、何とレギュラーメニュー入りが決定。7月以降も購入できます。
8月23日にはデカ盛り鶏めしの早食い競争イベントも行われました。これは大館駅前の花善本店前に、新たにテラス席が設置されたことを記念したものです。鶏肉大好きな私は参加を検討しましたが、さすがに8人前は無理だと断念。しかし、後日YouTubeで公開された当日の様子を見て「オレにもイケるんじゃないか……」と思い始めます。
「早食いは無理でも半日くらいかければ完食できそう。大館に行けば青ガエルとも再会できるし。そういえばJR東日本の新幹線が安く買える"お先にトクだ値スペシャル"(関連記事)もあったな。50%割引で東京〜秋田間が片道8950円か。安い!」
こうなるといても立ってもいられず、えきねっとで秋田新幹線「こまち」のチケットを手配しようとしました。しかしお先にトクだ値スペシャルの適用は「乗車日20日前の午前1時40分まで」です。明日行こうと思いたった旅は50%割引にならないので注意しましょう。
ふぅ。ちょっと落ち着きました。20日後以降のこまちで行き、ホテルに一泊して鶏めしを攻略することにしたのでした。
きっぷを予約。大館駅付近のホテルを予約。そして「デカ盛り鶏めし」も予約しました。当日注文もできますが、作り置きをしていないため注文があるたびに8人分の材料を詰め合わせます。材料が調っていない場合は炊飯から作り始めるので30分〜1時間ほど待つ必要があるそうです。予約がオススメ。受け取り時刻は18時30分、消費期限は製造後6時間。24時30分までに完食すれば良いのだ。
……そんな旅をしてきました。
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