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プリキュアの後、何見てる? 関東と関西で違いはある? 視聴データから振り返る2020年の「ニチアサ」サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)

視聴データから2020年ニチアサコンテンツを振り返ったら興味深いデータが出ました。

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 2021年は日曜朝の「女児向けコンテンツ」が大きな盛り上がりを見せます。

 来春放送予定のプリキュアシリーズ第18作目「トロピカル〜ジュ!プリキュア」も期待大ですが、10年目を迎えたプリティーシリーズの「キラっとプリ☆チャン」も好調につき3月以降も放送続投が決定。2020年4月に放送を開始したサンリオアニメ「ミュークルドリーミー」も次作「ミュークルドリーミーみっくす」が発表されました。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ
筆者のイチオシ、ミュークルドリーミーも続編が決定(画像はAmazon.co.jpから)

 さらに女児向け特撮「ガールズ×戦士」シリーズも第4作目「ポリス×戦士ラブパトリーナ!」が絶好調。2021年4月に映画の公開が決定しています。テレビ東京系列では、これら日曜午前中の女児向けコンテンツを「キラかわサンデー」と名付け力を入れてきています。

 また同じくタカラトミーアーツとシンソフィアの「プリパラ」も再アプリ化+連動アニメの「アイドルランドプリパラ」が発表され、実写とアニメが融合したアイカツ新シリーズ「アイカツプラネット!」も放送されるなど、2021年は近年まれに見る「女児向けコンテンツ」豊作の年となりそうなのです。

 そこで来るべき女児向けコンテンツ豊作の時代に先駆け、2020年コロナ禍中の女児向けコンテンツがどの様な数字的な変遷をたどったのか、どれだけの人が番組を見ていたかの視聴データから見ていきたいと思います。

 今回使用するデータは、東芝映像ソリューション様から提供を受けた視聴データから作成したものです。

 この「視聴データ」は全国144万台以上の東芝テレビ<レグザ>から視聴データを収集したもので、ビデオリサーチ社のいわゆる「視聴率」とは取得方法や集計方法などが異なります。

 リアルタイムで見られたものを「ライブ視聴」、録画再生されたものを「再生視聴」と呼称しています(用語一覧)。

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。



プリキュアの後、人々は何を見てるのか?

 これは東芝映像ソリューションに提供していただいた、2020年12月13日の関東広域における「プリキュアの視聴」からどの番組へと視聴層が移動しているかのデータです。緑色がプリキュア視聴前後の流れです。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 プリキュアを視聴した後は、約40%が「仮面ライダーセイバー」に流れ、約20%が同じ女児向けの「ポリス×戦士ラブパトリーナ!」に流れていて、「デジモンアドベンチャー」へは5%程度とあまり流れていないことが分かります。プリキュア後に視聴を打ち切ったか他番組へと流れたotherも約35%見られました。

 そして「プリキュア」から「仮面ライダーセイバー」を見た層はほぼそのまま「魔進戦隊キラメイジャー」へ移行していることも伺えます。

 逆にプリキュアから、デジモン、ワンピースへと進む層はかなり少なく、これらのアニメはプリキュアとは視聴層が違うようです。

 また、同じ「女児向けコンテンツ」でもプリキュアの視聴層が「ラブパトリーナ」を経て「キラっとプリ☆チャン」や「ミュークルドリーミー」にたどりつく割合は少なく、プリキュアを見ている層の日曜の朝は「プリキュア→ライダー(orラブパトリーナ)→戦隊」までで終わることが多いことも分かります。

 だだし、プリキュアからライダー、戦隊を経て「キラっとプリ☆チャン」までたどり着くコアな層は、そのままほぼ100%「ミュークルドリーミー」まで視聴していることも見て取れました。


時間帯別の視聴データ

 2020年の日曜朝のテレビ朝日系列、テレビ東京系列の関東地区「時間帯別」の視聴データです(フジテレビ系列は割愛)。

ヒーリングっど プリキュア アニメ ニチアサ

 関東地区のライブ視聴は「ヒーリングっどプリキュア」が2.58%と最も高く、次いで「仮面ライダーゼロワン/セイバー」の2.57%、「魔進戦隊キラメイジャー」の2.16%と続きます。

 テレビ東京系が軒並み0.5%〜1%台なので、視聴量だけをみればテレビ朝日放送系列の「プリキュア+スーパーヒーロータイム」がテレビ東京系「キラかわサンデー」を上回る形となりました。

 特に戦隊シリーズの裏番組として始まったタカラトミーのロボットアニメ「トミカ絆合体アースグランナー」は、視聴量的にはやや苦戦し、戦隊シリーズを凌駕(りょうが)するまでには至っていません。やはり伝統ある「テレビ朝日系ニチアサ」は強いですよね。

 今回の主旨(しゅし)である「女児向けコンテンツ」だけを取り出してライブ視聴をグラフにしてみました。

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 女児向けコンテンツだけで見てもやはりプリキュアが強く、次いで「ポリス×戦士ラブパトリーナ」が追いかける状況となっています。「キラっとプリ☆チャン」「ミュークルドリーミー」はライブ視聴的にはやや苦戦しています。ただ、これは時間帯的な制約もあり、放送時間が後ろになる程ライブ視聴は低くなる傾向にもありました。

 そして、やはり仮面ライダーの裏番組でありながらプリキュアを追随している「ポリス×戦士ラブパトリーナ」の健闘が光ります。「女児向け特撮」というブルーオーシャン戦略は成功しているようですね。

「日曜朝の番組」は生で見られる傾向にある

 ライブ視聴と再生視聴の比率を見てみます(再生視聴÷ライブ視聴)。この指標が1を上回ると「ライブ視聴」よりも「再生視聴」が多い、つまり「録画で見られる傾向のアニメ」ということになります。

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 参考データとして、例えば深夜帯の「呪術廻戦 #11」は再生/ライブ比の平均が2.93と、生での視聴の2.93倍「再生視聴」されています。

 このように深夜帯のアニメでは再生視聴の方が多いことも多々ありますが、「女児向けコンテンツ」は日曜日の朝ということもあり、どれも0.5以下で「生で見られる傾向」が高いことが伺えます。

 その中でも、「プリキュア」は0.31と特に生で見られる傾向が強く、逆に「ミュークルドリーミー」は0.51と高めで、日曜朝の女児向けとしては「録画視聴で見られやすい」ことも伺えました。

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