2020年最後の大作から感じる「ウィッチャー3」からの進化と“苦い伝統” 「サイバーパンク2077」プレイレビュー(3/3 ページ)
あっ! これウィッチャー3でやったやつだ! を感じてほしい。
非合理的なシステムはスッキリと
ウィッチャー3では金銭にあまり使い道がなく、サブシナリオをちゃんとこなしているとダダ余りしてしまいがちでした。そしてこの「金の使い道がない」という声は開発にしっかり届いていたらしく、DLCシナリオで追加された新しいキャラ強化システムでこれまで貯めた有り金全部使ってもとても足りない法外な額を突然要求され「そういうことじゃねえんだよな」と画面の前で1人ツッコミを入れさせられたものです。
この点はサイパンで改善され、今回はびっくりするほど金が……金が足りません! 高級車! 高性能ハッキングパーツ! 強力な武器の設計書! 何をするにもすごい額を要求されます。仕事を……ゲーム内でも仕事をこなさねば……。
また、ウィッチャー3では武器の強化素材にも問題があり、高レアリティな武器を分解して出てくる素材の使い道が全然ないままエンディングを迎えることになってしまいました。そしてこの「強化素材の使い道がない」という声は開発にしっかり届いていたらしく、DLCシナリオで追加された新しい装備の設計図で大量の素材を要求されたかと思ったらなぜかDLCシナリオで拾った装備から出てくる新しい素材ばかり要求され「そういうことじゃねえんだよな」と画面の前で1人ツッコミを入れさせられたものです。
この点も改善され、サイパンでは強化素材の種類が大幅に減り、有効な装備の設計図も大量に追加。そしてびっくりするほど素材が……素材が足りません! 貫通スナイパーライフル! 高性能日本刀! 誘導アサルトライフル! 何を作るにもすごい数の素材を要求されます。武器を……武器を砕かねば……。
もはや金も素材もカッツカツのカッツカツです。どうしてそう舵切りの思いきりが良いのか。とはいえ、ゲームの素材や金銭はこれぐらいカツカツの方がやってて楽しいもの。ここについては、純粋に改善されたかなと思います。
ウィッチャー3プレイヤーにこそ感じてほしいCD Projekt RED魂
従業員への長時間残業問題が取り沙汰されたり、発売直後にPS4版が残念なことになってしまったりとけちの付いてしまったサイパン。しかし、ゲーム内容自体は、間違いなくガッツリ遊べるものになっています。
プレイしているとうわさ通りさまざまなバグに遭遇したり、街を歩いているモブNPCの行動がたまにおかしかったり、モブNPC車のプレイヤー車に対する行動がGTA Vに比べて頭悪かったり(というかこの辺はGTA Vの作り込みがすごかった)と気になる部分はあります。とはいえ、それ以上の没入感やボリュームがあるのも間違いありません。
ウィッチャー3では独特でやや慣れが必要だった戦闘は、比較的オーソドックスなFPSとなりこの点は遊びやすくなりました。「印」は「ハッキング」という姿に形を変えて進化したシステムがありますし、「メタルギアソリッド」的な暗殺プレイも出来るようになっていたりと幅が広がっています。
個人的には新規だけでなくぜひウィッチャー3プレイヤーにサイパンを手にとってもらい、一見まるで別のゲームのように見えてところどころから感じる「あっ! これウィッチャー3でやったやつだ!」を感じてほしいところです。
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