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「05」「34L」 滑走路に必ず書かれている謎の数字、これ何? 意味が分かるとちょっと楽しい

離着陸のときの楽しみに。

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 滑走路の先端に「05」「34L」などのデカい謎の文字が書かれています。暗号? 制限速度かな? どんな意味が隠されているのでしょうか。

滑走路 数字
羽田空港のA滑走路。「34L」と指示標識がある(国土地理院より、以下同)

 この数字は「指示標識」といいます。飛行機の進行方向(着陸方向)から見た「滑走路の方角」を表しています。離着陸時の航空管制とのやりとりにこの指示標識が使われます。飛行機の運航にとても大事なものです。

 指示標識は、滑走路が真東向きならば「09」で90度、同じく南向きは「18」で180度、西は「27」で270度、北なら「36」で360度というように、磁北を起点にした時計回りの角度を10分の1で四捨五入した整数で示されます。磁北は「36」で、0とはなりません。使われる数字は1〜36までです。

 滑走路の他方の端にはくるりと180度ぶん回転した数字が書かれます。片側が「34」ならば反対側は「16」。書かれている数字に「18」を足すか、引いた数字になります。

滑走路 数字
「34」の反対側には「16」が書かれる

 数字のあとにアルファベットの「L」か「R」が書かれる滑走路もあります。これは滑走路が並行して2本以上ある空港で見られます。これで進行方向から見て左側(Left)にある滑走路なのか、右側(Right)にある滑走路なのかを区別します。

 例えば羽田空港にはA〜Dまで4本の滑走路があります。それぞれ端に「16R/34L」(A滑走路)、「04/22」(B滑走路)、「16L/34R」(C滑走路)、「05/23」(D滑走路)と書かれています。このうち16と34の方角で並行しているA滑走路とC滑走路に「L」「R」の文字が付けられています。

 ちなみに「3本」滑走路が平行している空港では、真ん中(Center)を示す「C」も使われます。日本の空港にはありませんが、米国のシカゴ・オヘア国際空港やダラス・フォートワース国際空港など大規模空港で見られます。

 さらに、4本ならば「L/LC/RC/R」、5本ならば「L/LC/C/RC/R」と記するよう定められています。国交省航空局資料「陸上空港の施設の設置基準と解説(平成31年3月)」によると5本までしか記載されていませんでしたが、もし6本以上あったらどうなるのでしょう。並行して6本も滑走路がある空港なんてどれだけのデカさが必要なんだとなりますが、教えてください詳しい方……。

滑走路 数字
羽田空港の滑走路に書かれている数字とアルファベットの組み合わせ(国土地理院地図を加工)
滑走路 数字
新千歳空港でも「L」「R」が使われている
滑走路 数字
指示標識は、位置やサイズ、色、書体などまで細かく規定されている(出典:国交省航空局資料「陸上空港の施設の設置基準と解説(平成31年3月)」より)

 滑走路の指示標識は昨今、Google Mapsやフライトシミュレーター(関連記事)などでも手軽に確認できますね。ぜひいろいろな空港の指示標識を見てみましょう。

 そして、旅客機の窓から「生」で見て楽しむのもまた格別です。離陸時の加速感やパノラマな景色とともに「この飛行機は方位340度に進んでいるのか」「あ、A滑走路に入るのね」などと妄想するのも楽しいですよ。今度、飛行機に乗るときに注目してみてはいかがでしょうか。

滑走路 数字
滑走路をイメージした航空グッズも多い

大泉勝彦

【訂正 2021年1月8日12時】初出時、一部記述に誤記がありました。お詫びして訂正いたします。お知らせいただいた読者の方、誠にありがとうございます



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