ハードディスクドライブ(HDD)のデータはフォーマット程度では完全に消えないので、安易に捨てられなくて困りがち。これを1台につき100円(税込)で物理的に破壊できるサービス、「黒歴史最終処分場。」が話題です。業務上のあれこれやら若気の至りで書いたポエムやら、いろんな秘密を闇の中へ。
秋葉原のジャンクショップ「秋葉原最終処分場。」が、2020年末に始めたサービス。PCを持ち込んだお客さんからHDDの処理を心配する声が多かったことから開始したそうです。持ち込んだHDDは専用の機械で破壊。利用者自らスイッチを入れて目の前で壊せるので、何かと安心です。
※追記:当初「SCSIタイプは対応できない」と記載していましたが、同社から「テストを行ったところ問題なく破壊できた」と連絡があったため、修正しました(2月3日)
破壊したHDDは店が引き取って金属リサイクルにまわしますが、希望すれば持ち帰りも可能。また、黒地に黄色でサービス名が入った、まがまがしいクリアファイルが記念品としてもらえます。
利用者のツイートが拡散されてサービスは注目を集め、「お得」「面白そう」「やってみたい」と好評。PCを廃棄する際に抜き取ったHDDや、規格が古くて使えなくなったHDDの処分に困っている人などに、朗報として迎えられました。
なかには「これだけ充実したサービスが100円でいいのだろうか」といった疑問も。編集部が同店を取材したところ、「この金額ですと、正直、無料で行うのと大差がありません。利益を確保するのは現実的では無いですね」との回答がありました。
それでも料金を設定したのは、「無料の仕事と対価のある仕事とでは、責任が違う」との考えから。きちんと料金を受け取って、責任をもってHDDを破壊し、レシートにクリアファイルを添えて渡すことで、利用者に安心してほしいという思いがあるそうです。
担当者は「電動ドリルで破壊すれば、費用をかけずにすぐできるとお考えのかたも多い」としつつ、サービスの肝は「安全な破壊」だとコメント。HDDの種類によっては壊すと鋭利な破片が大量に出るため、不用意にドリルなどを当てるのは非常に危険だと言います。
ネットで大きな反響があったものの、生まれたばかりのサービスとあって、「まだそこまでのご利用はない」とのこと。とはいえ、同店の独自調査でもHDDの処理を心配する声は多いそうで、ニーズは十分にあるようです。
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