JRグループは2月8日、2021年度の「青春18きっぷ」を発売すると発表しました。
鉄道ファンにとってはおなじみの青春18きっぷは、年度ごとにJRグループから発売することが告知されます。
1982年の登場からこれまで発売されなかったことはありませんが、2021年度は感染症の影響で発売を見合わせるのではないかと不安の声がありました。それだけに本年度の無事登場にファンとして安堵。もちろん、利用者側の感染症対策意識も必須です。
では、2021年度の青春18きっぷの楽しみ方と、本年度から変わりそうな注意点を鉄道ファン目線でチェックしていきましょう。
長期休暇シーズンに合わせて販売される「1万2050円でJR全線が5日間乗り放題」となるお得きっぷ
青春18きっぷは、毎年「春・夏・冬休み」などの長期休暇シーズンに合わせて販売される「1万2050円でJR全線が5日間乗り放題」となるお得きっぷ。JR全線の普通列車、快速列車が終日乗り放題となり、1人ならば5日分(5回分)、または5人で1回といったグループで利用できます。
青春18きっぷは販売期間と利用できる期間が決まっています。「2021年春季」は販売期間が2021年2月20日〜3月31日で、利用期間が2021年3月1日〜4月10日。「2021年夏期」は販売期間が2021年7月1日〜8月31日で、利用期間は2021年7月20日〜9月10日。「2021年冬季」は販売期間が2021年12月1日〜12月31日で、利用期間は2021年12月10日〜2022年1月10日となります。
併せて北海道エリア向けに、奥津軽いまべつ〜木古内間の北海道新幹線や道南のローカル線「道南いさりび鉄道」に青春18きっぷと合わせて乗れるオプション券「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も発売。こちらは2490円です。
18キッパーの強い味方だった「ムーンライトながら」は運行終了
青春18きっぷ利用者御用達の、東京駅と大垣駅(岐阜県)を結ぶ夜行快速「ムーンライトながら」。こちらは残念ながら運行終了が発表されています(関連記事)。
長距離移動の強い味方だった列車がなくなるので、特に関東〜関西の移動手段が大きく様変わりしそうです。
「ホームライナー」の人気が高まるかも? 「リゾートビューふるさと」「奥出雲おろち」などの観光列車も要チェック
青春18きっぷでも乗車できる通勤ライナーのうち、東京駅と小田原駅を結ぶ「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」が2021年3月12日で廃止となります(関連記事)。
2021年春季の青春18きっぷは利用期間が2021年3月1日から。期間はわずかですが、青春18きっぷを利用してお別れ乗車もできそうです。
なお、湘南ライナーは廃止になりますが、東海道本線の静岡地区や名古屋地区で運行している「ホームライナー」は引き続き運行します。特に静岡地区のホームライナーは距離の長い静岡県内を特急型電車で通過できるとして人気の列車です。ムーンライトながらが運行終了したことで、この列車の人気が高まるかもしれません。
ホームライナーのほか、JR東日本の「リゾートビューふるさと」やJR西日本の「奥出雲おろち」など、青春18きっぷで乗車できる観光列車タイプの快速列車も運行も予定されています。
普段の普通列車とは異なる、個性豊かな観光車両などにも乗れる青春18きっぷの楽しみ方は2021年も健在です。
ムーンライトながらが運行を終了してから初となる2021年度の青春18きっぷシーズン。「1日でどこまで行けるかチャレンジ」(関連記事)といった手段のほか、根本の計画の立て方も変わりそうです。
決して無理せず、密を避け、感染症対策などをしっかり心掛けた上で、長距離の移動だけでなく、近場への旅行や観光列車の乗車などの使い方も楽しみたいところですね。
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ほんとはこだわりたいんです。でもロングシートもいいものです。回転クロスシートも褒め称えたいんです。