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横浜ガンダムを見に行ったら自分でも意外すぎる感情に襲われてオォーッ! ってなった話マシーナリーともコラム(2/2 ページ)

みんなも横浜で5000円払ってガンダムに銃口を向けられてみよう!

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追加料金かかるけどかえって元取りやすいのでドックには登れ

 ガンダムを外から見て場内の展示物や売店見るだけなら入場料1650円だけでいいんだけど、ドックに登ってガンダムを間近で見るためには追加料金が3300円かかる。合わせるとなんやかんや5000円かかるので「ディズニーランドか?」みたいな感情に襲われるんだけど結論から言うとめちゃめちゃいいのでぜひ金を払ってドックに登るべきです。


横浜ガンダム 肩にあるのは航行灯的なライト。起動中は光る。膝にもついてる。よく見るとエリに「顔を照らすためのライト」がついてるのが面白い

 ほら! だって18メートルある物体を真横で見られるんだぜ! ここまでデカいものに近づくと、デザインが気に食う気に食わないとかはもはやどうでもよくなってくる。リアルかリアルじゃないかはどうでもよくて、「デカいと……こうなるんだな!」という気持ちでいっぱいになってしまう。よくできてるところもそうでもないところもないまぜになって、こうなっちゃったのよこうできちゃったのよ! という感じでそういうモロモロ全てが「いや……作ってよかったねえ!」って思えてくるんだよな。

 うお〜! 「ガンダム・センチネル」のムック本の表紙っぽい角度〜〜! みたいなうれしさが襲う。コックピットハッチがめちゃめちゃ高いところにあって「宇宙だったら無重力だからいいけど、大気圏内でこれに乗り降りするの嫌すぎるな」とか思ったりする。「ガンダムって高いから怖いんだな」とか18メートルで作ってみたガンダムをこの高さから見てみないと分かんないよマジで。


横浜ガンダム うわ〜っとなる角度。無重力状態で整備してみてぇ〜〜


 横浜港とガンダムを一緒に撮ってみんと試みる。うーん、いいなあ。これジオラマじゃないんだもんな。現実の風景なんだもんな。向こうに見えるみなとみらいのビル群の上にグフ・カスタムを幻視しちゃうぜ。


横浜ガンダム
横浜ガンダム みなとみらいのビル郡がいい感じにガンダムと雰囲気よく見える。これが千代田区とかだったらこうはいかねえよな

 演出の時間になって、またガンダムが動く。あらためて「これだけデカいものが右往左往するのは本能的恐怖が出てくるな」と思う。上から見ていると「結構倒れ込むような角度になるんだな」「倒れないかな」みたいな気持ちが出てくる。


横浜ガンダム 高いところから見てもやっぱり動いてる姿には独特の怖さがあるそれがいい

 こういう角度でガンダムを見下ろすのだって実物大じゃないとなかなかできない。なんかデカいから勝手に遠近感出るんだよ。怖っ! だって机の上にあるプラモを見下ろしてもこんなふうに見えないじゃん。すげーよな。


横浜ガンダム 見下ろすとデカすぎて勝手にパースがつく

 一通りの演出が終わったあと、ファンサービスなのかなんなのかガンダムさんはドックの客席に目線をくれる。が、これも「ガンダムと目が合うってことは向こうに敵意があれば頭部バルカン撃たれて死ぬんだよな……」みたいなことを考えてしまってやっぱり「怖さ」を感じた。いままでいくらアニメを見たりプラモを手にとったりしても得られなかった体験だ。みんなも横浜で5000円払ってガンダムに銃口を向けられてみるべきだ! すごく得した気分になるよ!


横浜ガンダム 観客に銃口を向けるガンダム

展示場もおもろい

 入場料のみで観覧可能な「GUNCAM-LAB」内には売店やカフェの他、横浜ガンダムがどう作られたか、誰が作ったのかなどのさまざまな展示物があってこちらも面白い。

 そもそもロボットってなんだ? って定義論とか、どう動かすのかどう作るのかの実験・検討の様子とか、単純に展示物としてかなり面白い。これまでの二足歩行ロボットの歴史展示とか、マシーナリーとも子的にも「こ、こんなん池袋晶葉ちゃんと一緒に来たら大喜びやんけ……」とグッと来る展示盛りだくさんだった。


横浜ガンダム横浜ガンダム

横浜ガンダム

横浜ガンダム 検討用の試作モデルやタイムラプスビデオなどいろいろ見どころある展示場。横浜ガンダムへの愛着が湧くいい展示になってたわ

 制作に携わった人たちへのインタビューとかも飾られてるんだけど、「なんでロボットを二足歩行させる必要があるの?」というそもそも論についての考え方がバラバラだったりするのも逆にいい。逆にいいんだよな。考え方が違う奴らが集まって最終的にこういうものが出来上がりましたってのが胸アツだ。

 売店の入り口付近にはなんかガンプラとかの作例がずらっと並べてあるので、一瞬「ホビージャパンかなんかのプロモデラーが作ったやつか?」って思ったんだけどよく見たら横浜ガンダムのプロジェクト参加者のみなさんが作ったものだった。「やっぱこういうガンダム作っちゃうような奴らってプラモもうまいんだな!!!」っていう納得がすごい。殺し屋にFPSやらせたらうまかったみたいな感動がある。


横浜ガンダム やたらうまい関係者制作プラモ。横浜ガンダムとなんの関係もなく戦国アストレイとかが飾ってあって面白い。「せっかくだから趣味で作ったこれも見て!」的ないい欲張り感を感じる

 ガンダムクッキーとかガンダムまんじゅうみたいなものも売っててすごい。なんか「最近のガンダムってディズニーとかサンリオみたいになりたがってるのかな?」って思うことがあるんだけど、これ成功しちゃってるな。こういうガンダムクッキーみたいなのを見ると俗すぎて逆に「これ宇宙世紀でも売ってそう!」って思えちゃうんだよな。バンダイやサンライズの商売! っていうよりはトゥーンタウンに来ちゃったみたいな気持ちになる。さっきは「このガンダム、他の作品との連なりが見えないな」なんてdisっちゃたけどさ。ガンダムファクトリーという施設はすっごくガンダム世界内にありそうなんだよな〜! アナハイムがめちゃめちゃ金稼いでそうな雰囲気あるもん。なんかこういうお土産一つとっても「うわ! 私いまガンダムオタクとしてすごくいい体験してるかもしれん!」って思えちゃったよ。


横浜ガンダム ガンダムクッキー売ってて興奮。宇宙世紀にもありそうなおみやげだ!!!

いろいろ感慨深くなるので見に行け

 というわけで横浜ガンダム、ほんとにほんとにオススメです。多分どちらかというと企画側は老若男女、ひろ〜い客層に来てほしいと思ってるんだろうけど私としてはガンダムオタクであればあるほど「うわ〜! 楽し〜〜!!」ってなれるなと思ったよ。すっげ〜いい体験だったわ。アクティビティー! 何でも作ってみるもんだねえ。

 出口付近には富野由悠季監督のメッセージがあるんだけどこれがまた一通り体験したあとに読むと胸に来るんだよな。何よりメッセージの受け取り手を、われわれオタクたちでなく子どもたちに設定してるのが泣かせるんだよな。そうだよな、新しい時代を作るのは老人ではないもんな。そして監督本人も、なんやかんやあり、このガンダムには100%納得できてないにもかかわらず最終的に「作ってよかった」と結論づけてるのがすごーくいいんだよ。私もそうだった。パッと見では冷めてた。「全然かっこよくねえなこのガンダム」と思ってたし正直見て帰ってきたいまでも単体では好きではない。でもこの横浜ガンダム、ガンダムファクトリーは本当に本当に「作ってよかった」と思えたよ。「夢が実現したな〜」まで言っちゃうと大げさなんだけど「こういうことなんだな」って納得がすごくたくさんあった。本当にそれが楽しかったなあ。


横浜ガンダム カッ、監督……! と胸アツになれる富野・メッセージ

 横浜のガンダム、ホントにホントにおすすめです。今はまあ緊急事態宣言とかで完全に行ってる場合じゃないんだけど、2022年の3月いっぱいまで展示されてるそうなのでぜひ機会が訪れたら行ってみてほしいね。そこにはある種のガンダムに対する納得があるはずだからさ。ガンダムの見方変わってくるかもしれないよ。それじゃあ今日はこんなところで。


横浜ガンダム 夜ガンダムも雰囲気いい。工場萌えみたいな良さ

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