JR東海道線三島駅(静岡県三島市)のホームには、謎の「えぐれ」があります。
ホームは真っすぐなのに、ある一部だけ「クイッ」とわずかに曲がってへこんでいます。
工事ミスなのでしょうか。それともたくさん電車が通ったことで、だんだんと削られていってしまったのでしょうか。何かが横から「ズン」とぶつかって、ホームと点字ブロックごと横にずれてしまったのでしょうか……。
このえぐれは、特急「踊り子」号(関連記事)が発着する1番線ホームにあります。三島駅は東海道線と伊豆箱根鉄道駿豆線の接続駅で、踊り子号はこの線を通って、東海道線と伊豆箱根鉄道を行き来しています。
(参考)三島駅の東海道線と伊豆箱根鉄道駿豆線の線路は隣接しつつも、伊豆箱根鉄道は出発後すぐに急カーブして進路を大きく変える。東海道線と伊豆箱根鉄道を直通する列車は急角度の線路を行き来する(地理院地図を加工)
えぐれは「踊り子号伊豆箱根鉄道直通」のため 最近の“えぐれ”改修工事は新しいE257系のため……?
冒頭の写真を見ると、ホームのえぐれているところに線路の分岐器があります。
「三島駅ではホーム内に分岐器があることから、この分岐器を通って出入りする車両がホームと接触することがないよう、ホームの一部をわずかに削っています」(JR東海)
列車がホーム内でかなり急角度に曲がるので、ホームの端に車体が当たらないようにした対策です。少しえぐった分、安全確保のために白線も点字ブロックも一緒に後退して曲がっているので、視覚的に「クイッと曲がっている感」が強調されるようですね。
さて、踊り子号においては、これまで使っていた185系電車が2021年3月のダイヤ改正で定期運用を終え(関連記事)、リニューアルされたE257系電車に全て置き換えられました。三島駅では2020年11月〜12月にかけてホームの改修工事を行い、その際にホーム上のえぐれ部分もきれいになりました。
この改修工事が「E257系の乗り入れによるものかな?」と一部の鉄道ファンの間で少し話題になりました。JR東海に確かめたところ「こちらはホームを管理する中での改修工事であり、E257系の投入に伴うものではありません」とのこと。E257系そのものの影響ではなかったようです。
ともあれ、伊豆エリアへ旅行へ行くとき、三島駅へ訪れたときには、この珍しい「えぐれたホーム」にも注目してみてくださいね。
(大泉勝彦)
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