「音だけで泣ける……」 ありがとう「185系」「湘南ライナー」、保存版の感動動画にファンも昭和世代もホロリ(1/2 ページ)
多くのファンが引退を惜しんだ「185系」はこんな車両でした。
特徴的なモーター音、ドア前での検札、手動のドアコック、国鉄型の懐かしい警笛……。2021年3月12日、昭和時代から日本を支えた旧国鉄時代の車両「185系電車」がこの車両で運行していた「湘南ライナー」とともに定期運行を終え、引退しました。
多くのファンが引退を惜しんだこの185系および湘南ライナーはどんな列車だったのでしょう。
「廃止となった北海道札沼線の感動景色」(関連記事)や「まるで幻のような夜明け前の路面電車」(関連記事)など鉄道と鉄道員への深い愛情を感じる鉄道動画作品を多数公開してきた、鉄道ビデオグラファーの特急ぬめり(@NumeriExpress)さんが、185系電車最後の勇姿を記録した映像作品を公開。「時代とは言え、ちょっと寂しいね」「これを観たら…ぽろっときちゃいました…」と多くの人がしんみり感動しました。
動画に登場するのは、緑色のストライプを入れた185系特急型電車を使う「湘南ライナー」。185系電車は近年、昼間は特急「踊り子」号、朝夕は小田原駅と東京駅を結ぶ、“座れる”通勤列車である湘南ライナーとして活躍していました。高速走行時のうなるようなモーター音が特徴的でした。
夕方の品川駅に普通列車を待つ多くの帰宅客。この列を横目に湘南ライナーが入線してきます。乗車にはライナー券が別途必要。ドアの前では車掌がライナー券の検札を行っています。特急型の座席でゆったりとくつろぎながら帰宅。車内ではささやかな晩酌を楽しむ人も。ライナーならではの、人によっては特別な日だけの特別な空間です。
湘南ライナーは係員によるドアコック操作シーンも見どころ。駅ごとに開くドアが決まっているもののドア個別には制御できないため、係員が外から「手動」で該当ドアのドアコックを操作していました。ドア前の検札も含め、多くの係員が古きよきアナログな方法で運行を支えていた列車でした。
「音」にも昭和が残っていました。国鉄型の懐かしい「警笛」を鳴らして発車します。重厚な「モーター音」、途中で鳴る「パコン」音、現代の車両にはないさまざまな音を奏でながら走ります。品川駅発車後、カーブで車体をくねらせながら進んでいくのも、思わず「ガンバレ」と言いたくなってしまう姿です。
動画には「音だけで泣ける」「心にじんわりきた」などの声のほか、「小さい頃に乗せてもらった」「湘南ライナーでお世話になった」などの声も。当時の思い出もしんみりと呼び起こしていたようです。
2021年春のダイヤ改正で、湘南ライナーは特急「湘南」に変わり、車両も新型のE257系に替わりました(関連記事)。ドア前の検札やドアコック扱いを含めた昭和なシーンも見納めとなりましたが、新しい特急になっても、生活様式が変わっても、時おり思い出してほしい鉄道シーンです。
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