advertisement
家庭や進路に悩む女の子を描いた漫画「紙船で海へ」が、心にじわりとしみてくるお話となっています。作者はWebで漫画を発表している岡山(@ebinashi_ebifly)さん。
高校生3年生の朱音は、母親と、母親にしかなついていない犬のチビと、山に囲まれた小さな町で暮らしています。「人に言えない」彼女の苦手なモノは、チビと、時々玄関に現れるようになった大きな革靴――母の恋人でした。
恋人ができてよく笑うようになった母。それでも朱音は母の恋人と接するのが苦手でした。学校では都会の大学を狙えると先生に言われても、将来どんな仕事をしたいのか分かりません。
「将来はお金持ちになってスーパーロボットを買って大きな白い家で母とチビと毎日楽しく遊ぶ」。朱音が子どものころ描いていた夢。けれども大きくなった今は分かっています。チビは母に着いていくこと、母はきっと恋人に着いていくこと、自分の後ろには誰もいないこと――。
小さな子どもではないけれど、大人でもない、そんな年頃の心の揺らぎが等身大に描かれ、いつかの自分を思い出させてぐっと心に刺さってきます。将来への迷い、自分の居場所……葛藤や悩みがリアルに感じられる作品です。朱音がどんな決断をするのか。その結末はぜひ漫画で確かめてください。
同作は漫画投稿サイト「マンガMeets」でも公開。岡山さんは読み切り作品「3、2、1で合図して」で同サイトの2021年5月期「マンガMee新人賞」に入賞しています。
作品提供:岡山(@ebinashi_ebifly)さん
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.