呪いの力で何者も寄せ付けない魔王の娘と、呪いに負けぬほど鍛錬したおっさん――最強の矛と盾のような2人が巡り会う漫画がワクワクします。作者は漫画家の成田成哲(@bisekai1)さん。
父であった魔王の命脈が尽き、玉座にはか弱い娘がぽつりと1人取り残されました。しかし、魔王も親と言うべきか、死に際に娘を守るための呪いを残していました。
その呪いは強力なバリアとして働き、近づく者をことごとく滅します。おかげで、外敵や不忠の輩に玉座を奪われることもありませんでしたが、娘の味方となり得る者も近づけません。これでは、いずれ孤独のまま父のあとを追うことに……。
玉座は娘が倒れてから奪えばよい――側近であるはずの魔物たちが画策しはじめたそのとき、最強のおっさんは登場。魔物をたやすく排除して、王の間へ突入します。
おっさんは魔王を討伐して己の強さを証明しようと意気込んでいたのですが、魔王の死骸を見て落胆することに。そんな彼を侵入者とみなしてか、娘にかけられた呪いが発動。強大な力でおっさんを襲います。
しかし、おっさんは「この世の誰よりも鍛えている男」。呪いの力は彼の肌を切り裂くに留まり、娘への接近を許します。
おっさんは娘の頭を優しくなでると、「これからは俺が親父の代わりにそばにいてやる」とひと言。表向きは「呪いより自分の肉体が強いと証明するため」といった口ぶりですが、彼なりに娘をふびんに思ったのかもしれません。その優しい言葉に触れるなり、呪いの文様は娘からすっと消えていきます。
おっさんの肉体と愛情が勝ったのか、もう娘には必要なくなったからか、呪いが消え去るラストは多くの読者の心を打ちました。反響に応えて、成田さんは「おっさんの過去編」を執筆中です。
作品提供:成田成哲(@bisekai1)さん
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