「何もかもが剥き出しになったRPG」ダンジョンエンカウンターズを遊んだ話:今日書きたいことはこれくらい(1/3 ページ)
押しつけがましいくらい、開発者の声が聞こえまくるRPG。
いきなり関係ない話から始まって恐縮なんですが、皆さん国語や現代文の試験で、「作者の気持ちを答えなさい」っていう問題、見たことありますか?
Webだと「悪問の代表」みたいな立ち位置でしばしば話題にのぼりますよね。ときには、「こんな問題があるから日本の国語教育はダメなんだ」なんて言われたりすることもあります。私自身は、評論文や論説文で作者の意図を考えさせる問題ならともかく、小説や物語でこの手の問題を見たことがほとんどなくって、ホントに一般的なのかなそういう問題? って疑問に思うこともあるんですけど。
ただ、あくまで個人的な趣味の範囲での話なんですが、こと「ゲーム」という分野においては、私は「作者の気持ち」や「作者の意図」を妄想するのが大好きです。
このゲームを作った誰かは、どういう意図を込めてこのデザインにしたんだろう? とか。どんな気持ちでこのメッセージを、この世界観を作り込んだんだろう? とか。
ゲームを攻略するという行為には、「開発者さんとの勝負」という側面もあります。開発者さんが作り込んだ難問をどうやって解くか。開発者さんが用意した障害をどう乗り越えるか。開発者さんが作り込んだコンテンツをどこまで楽しめるか。ときには、開発者さんが予想だにしていなかったであろう遊び方、楽しみ方を発見できることもありまして、そういうときには何ともいえない達成感を感じることができます。
開発者の意図の読み解き、開発者との読み合い。「作者の気持ちを答えなさい」というのは、私にとっては「ゲーム攻略」の一部なのです。
ところでここ最近、「ダンジョンエンカウンターズ」(公式サイト)というゲームをひたすら遊んでいます。スクエニから発売された、PS4やSwitch、PC(Steam)で遊べるRPGです。
まだまだ「遊び尽くした」といえるほどプレイできたわけではないんですが、それでも夢中になってダンジョンを徘徊(はいかい)してマップを踏んでは、新しい武器を見つけてわくわくしたり、仲間を吹っ飛ばされて必死に探索したり、パーティを全滅させて泣きながらセカンドパーティを鍛えたり、大量の借金を抱えて死んだ目で金策をしたりしています。トレジャーリセットマジでどうにかしてほしい。
このゲーム、何がすごいって、本当になにもかもが「剥き出し」なんですよ。「普通ならそこは隠すだろ?」とか、「何かしらフレーバー被せてごまかすだろ?」みたいなところが、全く、一切隠されてないんです。ゲームの「骨組み」みたいなものが、全てそのまんまプレイヤーの前にさらされている。しかもその「骨組み」は、あちこちとがりまくっていて、プレイヤーの柔らかい部分にブッ刺さりまくる。骨削って作ったヤリかよ、ってくらいとがりまくってるんです。
結果、上で書いたような「開発者さんの意図」みたいなものが、もうものすごく明確に伝わってくるんです。むしろ、プレイしてる間中ずっと、開発者さんが耳元でぶつぶつ語り掛けてくるような気さえする。
「ここはこういう風に楽しんでくれ。むしろこれが楽しいと思えるヤツだけこのゲーム遊んでくれ」とか。「このゲームが好きなヤツなら、こういうギミックも好きだろ?」とか。「こんな要素いらないだろ? これで十分面白いだろ?」とか。恐らく、このゲームをちょっとでも遊んだ人なら、大なり小なり同じような「声」が聞こえたんじゃないでしょうか?
押しつけがましいくらい、開発者の声が聞こえまくるRPG。
ダンジョンエンカウンターズというゲームを、私はそういう風に捉えているのです。
本記事では、しばらくダンジョンエンカウンターズを遊んだ上での、現時点の私の感想を書き連ねてみたいと思います。いつものことですが、依頼を受けたPR記事ではなく、私が書かせてくださいと頼み込んで書いている記事です。よろしくお願いします。
剥き出しのシステムと、最小限のフレーバーだけで構成されたゲーム
皆さん既にご存じかもしれないですが、ダンジョンエンカウンターズがどんなゲームかということについて、まずは簡単に説明させてください。
ダンジョンエンカウンターズは、一言で言うと、「何もかもが剥き出しになったダンジョン探索RPG」です。
ダンジョン探索とはいっても、おどろおどろしい洞窟や古めかしい古城の中を探索するようなフレーバーはなく、マップはまるでシンプルなボードゲームのようなそっけない見た目です。しかも、マップのあちこちに「03」とか「08」とか「AC」とか、これまたそっけないイベントマスがあって、プレーヤーには「どこに行けば何が起こるか」が事前に全て開示されています。
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あとヒロインの妙(みよ)がかわいい。