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「何もかもが剥き出しになったRPG」ダンジョンエンカウンターズを遊んだ話今日書きたいことはこれくらい(3/3 ページ)

押しつけがましいくらい、開発者の声が聞こえまくるRPG。

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「ネバーランドのカボチャ男」に近い感覚

 最後にちょっとだけ、脇道にそれることをご勘弁ください。

 ダンジョンエンカウンターズを遊んでいるときの感覚、何に似てるって「ゲームブックを遊んでいるときの感覚」に非常に近いです。それも、極めて個人的には、林友彦先生の「ネバーランドのカボチャ男」という一作を遊んだときの感覚がめちゃ近くって、これもちょっと紹介させていただきたいんです。

 皆さん「ゲームブック」ってご存じですか? 以前も一度記事を書かせていただいたんですが、要は「本とゲームが融合した遊び」というのが一番シンプルな説明だと思うんですが。

 ゲームブックにも作者さん次第でいろんな作品がありまして、シンプルな作品もあれば複雑な作品もあります。そんな中でも、鈴木直人先生と林友彦先生のお二人については、「ゲームシステムとストーリーが極めて完成度の高いコンビネーションを保っている」という点で、ゲームブック作家の二大巨頭と勝手に呼ばせていただいているんですが、その林友彦先生のゲームブックの一作が「ネバーランドのカボチャ男」です。

ダンジョンエンカウンターズ

 この「ネバーランドのカボチャ男」って、ゲームブックの中でもちょっと特殊でして、ボードゲームと融合したような作りになっているんですよ。上の画像でご覧いただけるように、本にマップが添付されていて、プレイヤーはこのマップと組み合わせてゲームを遊ぶんですね。サイコロを振ってどこに進むか選んで、出たマスに書いてある項目を読む。するとそこで何かしらイベントが発生して、そのイベントを読み解きながら探索を続けることになる。

 この作品、他のゲームブック以上に「あなた次第」という部分が大きくって、林先生の他作品に比べればストーリー展開も抑え目ですし、一方「探せば探すほど楽しくなる」ギミックも山盛りなんです。どこで何が起きるか、事前に全部開示されているのに、ただ進んでいるだけでワクワクする。フレーバーはあっさり目で、味付けは遊ぶ人次第。

 もともと「TRPGを本でできるようにした」というのがゲームブックなわけですが、「それをさらに先祖返り的にTRPGに寄せた」ゲームブックが「ネバーランドのカボチャ男」なわけです。

 極めて個人的な体験なんですが、ダンジョンエンカウンターズを遊んでいてビシバシ感じたのが「うおーーーーこれカボチャ男だ……!!」って感覚なんですよね。「徹底的に考えさせられる」という側面も含めて、「ゲームブック」が好きだった人には、ちょっとダンジョンエンカウンターズを遊んでみていただきたい、と思う次第なのです。


まとめ

 ということで、長々書いてまいりました。

 最後に簡単に話をまとめてみますと、

  • ダンジョンエンカウンターズは「何もかも剥き出し」という点で極めて特徴的なダンジョン探索RPG
  • シビアさの中にも「考えれば考えるほど有利に進める」というバランス調整は素晴らしい
  • ただし遊ぶ人は極めて厳密に選ぶ
  • ゲームブック好きな人にはおすすめかも
  • 石化の仕様だけは鬼畜すぎると思うので考えた人軽くお腹壊してほしい

 という感じになるわけです。よろしくお願いします。

 今日書きたいことはこれくらいです。


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