「ATM周辺で妖怪に暗証番号を聞かれても決して教えないでください」――鳥取銀行のATM前にある、ちょっと変わった立て看板がTwitter上でユニークだと話題になっています。
注目を集めているのはTwitterユーザーのこぜ・Enfield(@masaias)さんの投稿です。「近代的妖怪だな……」というコメントとともに投稿された立て看板の写真は広く拡散。リプライでは「受け子がねずみ男、親玉がぬらりひょんで脳内再生された」「その看板を使う鳥取銀行のセンス……ヤバイですね」などの反応が寄せられています。
話題の立て看板が設置されているのは、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるさんの故郷である鳥取県境港市の観光名所「水木しげるロード」にある鳥取銀行のATMです。このクスっと笑える立て看板の設置のいきさつについて鳥取銀行に聞いてみました。
―― この看板を設置した経緯は?
鳥取銀行 鳥取県内随一の観光スポットである「水木しげる」ロードに2012年7月に新たにATMを設置するにあたり、観光客の皆さまにも地元の皆さまにも親しんでいただけるデザインを意識しました。ATMコーナーの外観も妖怪屋敷風にしました。かやぶき風屋根や古民家のような装飾、人を感知すると一つ目小僧などが映し出されるモニターを設置するなどの趣向をこらし、見て楽しんでいただけるATMになっております。
―― なぜ一般的な注意文ではなく「妖怪に暗証番号を聞かれたら」という書き方にしたのでしょうか?
鳥取銀行 ここでの妖怪は怪しい人を指しており、暗証番号を聞き出してお金を盗む犯罪者のたとえです。「ゲゲゲの鬼太郎」には人間に悪さをする妖怪もいるので……(もちろん、人間を悪い妖怪から守り、仲良くしてくれる妖怪もいますが)。当時全国的に増加していた振り込め詐欺への注意喚起を目的として、ああいった形の看板を設置させていただきました。近年もまた特殊詐欺被害が増加してきており、現在もその役割を果たしている看板だと思います。
―― 利用者の反応はどうですか?
鳥取銀行 全国的にも珍しいATMですので、観光客の皆さまに記念撮影をしていただいたり、SNSなどで発信していただいたりしているのでちょっとした観光スポットになっています。今後も当行は鳥取県に本店を置く唯一の地方銀行として、地域の方々と一体となって地域の観光資源のPRや地域活性化に取り組んでまいりますので、鳥取県にお越しになった際はぜひお立ち寄りいただき、楽しんでいただければと思います。
立て看板はATM利用者へのユニークな注意喚起となっているだけではなく、地方銀行の地元愛があふれていました。
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