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「しずる」村上、“青春コント”誕生の瞬間に手応え 18年の芸人人生で欠かせなかった笑いの原体験と相方・KAZMAを振り返る(2/3 ページ)

青春コントといえばしずる。

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“青春コント”誕生の瞬間

――青春コントをキャッチコピーに「爆笑レッドカーペット」へ出演されていましたが、しずるのキャリアを振り返って「存在が気付かれた」「売れた」と追い風の最大瞬間風速を感じたのはいつでしたか?

 「視力検査」を初めて披露したとき、自分で言うのもなんですが、とんでもないウケ方をしたんです。それこそ本当に風を感じるくらいの衝撃でした。自分たちにハマったネタなんだろうな、ゴールデンタイムで放送される番組で披露するならこれしかないと思って、自信を持って「レッドカーペット」で披露できました。青春コントがテレビに出るきっかけになりましたし、それがなかったら「レッドカーペット」ではやっていけなかったと思います。

――『裸々』第3章ではスターダムを駆け上った当時について言及されていますが、KAZMAさんとはなんとも言えない緊張状態にあったんですね。

 僕がイニシアチブをとっていたことからコンビ間のゆがみが生まれましたね。「爆笑レッドカーペット」をきっかけに一気に認知度は高まりましたし、「爆笑レッドシアター」のメンバーと過ごした時間は有意義でした。フジテレビのゴールデンタイムで放送される番組に出演できたことも「これぞ僕が求めていたものだ」という充足感に満たされていましたが、池田との危機感という相反する気持ちが共存していた時期ではありました。

しずる村上純

――その確執がほどけた瞬間は読んでいてグッとくるものがありました。今の村上さんから見て、それぞれが作るコントにあってないものはなんだと思いますか?

 完全にお互いにあってないもの、というのはないですが、比べられたら負けるなと思うところは、池田のコントはやっぱり見たことがない、ゼロから1を作ろうと心掛けている節を感じるところです。

 もし、お互いがつぼ職人だったら、池田はきっと「何そのつぼの形」みたいなつぼを作る。例えば、下に穴を開けちゃうとか。水がこぼれるからつぼの意味をなしていないのに、「こんなつぼ見たことないでしょ」「つぼの用途としてではなくて、好きで置いておきたいから」っていう理由で作ると思うんですよ。

KAZMAさん作のコント「突入」 クオリティーが完全に映画のそれ……

全ての逆をいく男、相方・KAZMAさんの存在

――最近では「アメトーーク」で「しずる池田大好き芸人」としてKAZMAさんが取り上げられ、なかなかクレイジーな生態が話題となっていました。

 池田って素朴な見た目しているし、本来の人間性も純朴なんですけど、芸をするときだったり、面白いことをいうときはその真逆をしようとして真っ黒な発想が出てくるんです。笑いの基本は裏切りと言われることもありますが、池田がするとただただびっくりするんですよね。

――吉本興業の闇営業についてインタビューされたときに無言を貫いたらインタビュアーにボケだと気付かれなかったエピソードがありました(笑)。

 YouTubeチャンネルも目立たないように作ったのに「アメトーーク」で注目されたから消す可能性もあります(※5)。池田のそういうところを面白がってくれる人は沼です。

※5 KAZMAのYouTubeチャンネル:KAZMAさんが別名義で5つやっているが、「アメトーーク」放送終了後の反響でチャンネル登録者数が急増したことから、「もう更新ないと思います」と15日放送のラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」で発言。別のチャンネルを内緒で作成したことを明かした

――逆にお互い「面白い」と認識しあっていることはありますか?

 草なぎ剛さんが出演していたドラマ「TEAM」(フジテレビ系/1992年放送)は2人とも好きです。出ばやしの奥田民生さんの楽曲は僕が勝手に決めましたが、池田も好きだったことが判明しました。あとはお互い中二病ですね(笑)。池田は「RIP SLYMEを最初に見つけたのは俺だ」と言っていて、僕も「日本で最初に若槻千夏を見つけたのは俺だ」と言っていますし、そこは似ていると思います。

――「キングオブコント」優勝もコンビとしての目標なのでしょうか?

 僕は、一番になりたいというモチベーションから出場し続けています。生きていて日本一の称号をもらえることってなかなかないじゃないですか。僕が今のところ考えられる唯一の日本一になれる武器がコントなんです。

しずるが初めて決勝に進んだキングオブコント2009の1本目のコント「冥土の土産」

 ただ、池田から「優勝したい」って聞いたことはないです。むしろ「優勝はいらない」っていう“逆”をいってますからね。ただ、決勝に負けて泣いていたこともありましたし、熱くなっているところを見せたくないだけかもしれません。この本も絶対読まないと思いますが、その逆をいって読む可能性もあります。一番近くにいる人間なのに一番分からないです。

――全く読めない人だ……。最後に、村上さんから見て、この要素を満たしていれば「しずるのコントだ」と言えるものはなんですか?

 僕の目線になりますが、「意味が分からないこと」。なんで笑っているのか分からないけど面白いものを自分が好きだからということもありますが、分からない、理解できないことって僕にとってはネガティブではなくて、新しいことを知るきっかけになるワクワクすることなんです。だから科学できないものであってほしいし、ちょっと消化不良のような気持ち悪さが残ってほしい。分かりやすい笑いが得意ではないとも言えますが、例えばしずるのコントを見て、「なんだったんだあれ」と後で思い出してもらえるとうれしいです。

書籍概要

タイトル:裸々(らら)

著者:しずる・村上純

イラスト/デザイン:WALNUT/名久井直子

発売日 :2022年3月25日(金)

定価:1870円

書籍仕様:四六判 / 344ページ

出版社:発行:ドワンゴ 発売:KADOKAWA


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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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