秀岳館高校サッカー部、“部員の謝罪動画”に監督も関与 「顔出し・実名」も監督の指示で
当初「部員が自主的に投稿した」と説明していたのは「部員の自主性を尊重」したためと説明しています。
サッカー部のコーチから部員への暴行が問題視されている熊本県八代市の秀岳館高校で、学校側は5月5日に記者会見を行い、事件後、部員が自主的に投稿したとされていた“謝罪動画”に、監督も深く関与していたことを明かしました。
会見には同校の中川靜也校長、鶴浜邦一本部長、白井勇教頭、渡部久義教頭、そしてサッカー部の段原一嗣監督が出席(コーチ本人は出席せず)。主に白井教頭が中心となり、これまでの調査結果を報告しました。
特に会見で注目を集めたのが、前述の“謝罪動画”は本当に部員が自主的に投稿したものだったのか――という点。問題の動画は騒動の2日後、サッカー部の公式Twitterに投稿されたもので、現在は削除済み。部の生徒たちが顔出し・実名入りで出演し、世間を騒がせたことについて謝罪しているという内容でしたが、投稿の直後から「なぜ(被害者である)生徒が謝罪しているのか」と批判が集中する形に(関連記事)。なお監督や学校側はこれまで、この“謝罪動画”については「部員が自主的に投稿したもの」と説明していました。
しかし、学校側がその後聞き取り調査を行ったところ、動画が投稿される前日に監督と部員4人の間で話し合いが持たれ、その中で「動画を出そう」という案が出たとのこと。動画はその翌日に撮影され、最終的には12人の部員が撮影に参加。動画の内容については監督も確認しており、「こういうポイントで撮りなさい」「4人ではなくみんなで出た方がいい」「悪いことをしているんじゃないからマスクは外して名前も出した方がいい」といった指示があったそうです。
当初の説明との食い違いについて段原監督は、「生徒の自主性を尊重し、自分があらかじめ知っていたというのは良くないと思ってそう回答してしまった」と説明。また「隠していたわけではないが、結果的に隠していた形になってしまった」と謝罪しました。
また会見では「動画を投稿すること」自体が監督、生徒のどちらから提案されたかも焦点になりましたが、これについては、段原監督はあくまで「生徒側からの申し出があり、自分も同じ気持ちだったので賛同し一緒に考えた」と説明。しかし段原監督を巡っては、コーチによる暴力動画の拡散後、部員に対し「動画を投稿した生徒は加害者」「俺が訴えたらどうする」などと脅迫するような音声も流出しており、記者から「圧力があったのでは」と質問さると、「そういう意図はありませんでしたが、そう問われるとおっしゃる通り」と釈明していました。
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騒動後、初めてTwitterを更新し謝罪しました。