そして、人類補完計画が始まる……。
そこから先の話は、“新世紀”というより、“世紀末”という感じでした。まさに世界の終わり。「Air」編後に唐突に始まるエンディングなんてもはや驚くことじゃない。ここから先は、悲鳴と絶叫、恐怖の声ばかりが流れます。
まずは、ぐちゃぐちゃになった弐号機を見てシンジ君が絶叫。再び目覚め、乗り込んだ初号機が悪魔になったような描写は、「すごすぎる……」ともはや感動すら覚えるほどの作画です。
そして、ついに始まる人類補完計画。
リリスと綾波がなんか分からないですけど融合し、巨大化した白い綾波が大気圏すら越えて起き上がってきます。それに合わせ、白いエヴァの身体から浮き上がるおびただしい数の綾波の顔。この間、シンジ君は「ひいっ」しか言ってません。これ、映画見ずにこの記事だけ読んだ人からしたら何言ってるかさっぱり分からないだろうな―――。
さすがにこんな状況にもなれば、シンジ君も「もう嫌だ…もう嫌だ…」と頭を抱えます。実際、見ている時の僕の心境もそんな感じでした。子どものころ、インフルエンザにかかってこんな悪夢見たことあったような……。
映画は、シンジ君の小さいころ、友達は先に母親と帰ってしまい、公園に1人取り残されるシーンに移ります。この制作陣、作品に身をささげている……。その後、アスカから「あんた私のこと分かってるつもりなの」と罵倒され、蹴られ、あっつあつのコーヒーを浴びるも、「ねえ誰か僕を…お願いだから僕を助けて」「一人にしないで」と懇願するシンジ君。ついには、怒りに任せアスカの首を絞めてしまいます。
そして、始まる地獄。
………。
そこからは、人生29年間、ホラーやファンタジー、ミステリーやSFなど色んな映画やドラマ、小説を読んできた僕でも、ほとんど見たことがないほどトラウマの展開でした。
終末感のあるピアノの旋律と歌声に合わせて地球に大量の綾波が現れ、TVアニメ版からおなじみのネルフ職員たちが次々にオレンジの液体へと飛散していきました。綾波に囲まれて恐怖に顔をゆがませる人から、リツコさん(綾波が変化しました)に抱かれて泣きながら笑顔で「センパイ…センパイ…」という人まで。
一方、ゲンドウは、初号機に頭から食われます。さらに、槍のようなものに貫かれ、なぜか「あっ… ああ!」と快楽にもだえる白いエヴァ達(注:顔は綾波です)。
その後、地球全体がオレンジ色に染まり、人々の絶叫が響き渡ります。
もう、あぜんです。
どうしてこうなった……。
誰か助けてよ……。
その後、実写の世界に入り、劇場に座っている人々の姿が映ると、もはや何を見ているのか、これは俺の夢の中の世界だったのかと錯覚すらし出すように。インターネットに庵野監督への誹謗中傷が描かれた場面では、この時の庵野監督は精神的に大丈夫だったのか、心配で胸が痛くなってきました。
結局シンジ君は人類が1つになる道を捨て、元の世界に戻ってきましたが、周りはオレンジ色の海。そして、隣にいたアスカの首を絞め、「気持ち悪い」と言われて映画は終わりです。エンディングは途中に流れたので、ここで本当にブツッと終わりました。
………。
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