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同じ場所を走る“80歳差”の路面電車 語り継がれる広島電鉄「被爆電車653号」の姿がかっこよくて泣けてくる(1/2 ページ)

被爆77年の広島の街を今年も走ります。

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 1945年の原爆投下時に街なかを走っていた「被爆電車」がいまもなお走る広島電鉄。2015年にスタートし今回で8年目を迎える「被爆電車特別運行プロジェクト」の一環で公開された、当時の路面電車と最新の路面電車を対比する映像に胸が熱くなる人が続出しています。

【被爆電車特別運行プロジェクト×特急ぬめり】80歳と0歳の広電
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 映像を制作したのは、全国各地の鉄道を主題にノスタルジーと旅情、鉄道と鉄道員への深い愛情があふれる鉄道動画でおなじみの鉄道ビデオグラファー、特急ぬめり(@NumeriExpress)さん。

 映像に登場する路面電車は、1942年生まれで車齢80歳の被爆電車「653号」と、生まれたばかりの最新低床車両「5207号」の2両。80歳差にもなる車両の細部を対比しながら、それぞれの列車を運転する現役の運転士が被爆電車への思いを語ります。

被爆電車プロジェクト
被爆電車「653号」と最新低床車両「5207号」(画像は被爆電車特別運行プロジェクトTwitterアカウントより、以下同)

 最新の路面電車はさまざまな部分がコンピューター制御となっていて(比較的)楽に運転ができる一方、80年前の被爆電車は自分の技術がそのまま運転に現れる、クルマで言うマニュアル車のような存在。車両に80年の差があっても、「いつも事故がないように」という運転士の意識に変わりはありません。

 戦中に生まれて原爆の被害を受け、その後の復興を見届けてきた653号車と最新車両が同じ場所を走る様子には心を動かされます。動画には「胸が熱くなる」「653号車は動く語り部としてずっと残してほしい」「これからも勇気と希望を与える存在であってほしい」など感動の声が多く寄せられていました。

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「信号よし」「ポイントよし」の合図は変わらない
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2両の路面電車が走り出す

 広島電鉄には、1945年8月6日に投下された原爆で被爆した「被爆電車」の650形が3両在籍しています(2022年8月現在)。

 そのうち2両(651号、652号)は通常の営業運行で乗客を乗せて市内を走行していますが、映像に登場する残りの1両(653号)は原爆が投下された1945年当時の塗装を再現した特別な車両で、イベント時に特別運行を行っています。2022年は8月6日から9日までの4日間に計7便を運行します。

 被爆電車の乗車には事前申込が必要で、すでに応募受付は終了しています。なお、運行初日は「リモート乗車体験」企画として、広島市内の光景や653号の走行の模様、車内のモニターで上映する資料映像をライブ配信します。配信日時は8月6日14時〜15時30分で、終了後はアーカイブ配信も行います。

6日のもようは被爆電車リモート乗車体験として配信

大泉勝彦

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