「昭和の生き残り」がついに引退……。千葉県・いすみ鉄道の旧国鉄急行型気動車「キハ28 2346」(関連記事)の定期運行が2022年11月27日に終了しました。同社が公式Twitterアカウント(@isumitetsuitter)で公開したキハ28 2346の勇姿を振り返る動画には「お疲れさまでした」「泣ける」と感動の声が寄せられています。
今回、引退したキハ28 2346は、国鉄時代に急行型車両として製造された「キハ58系」の派生型で、東海道新幹線が開業した1964年に登場しました。
当初は山陰地方で急行列車として運行され、その後は北陸地方や高山本線で活躍したのち、一度は引退。2012年にいすみ鉄道へ譲渡され、2013年3月から運行を開始しました。同型式の車両はJR各社でもすでに運行を終了しており、国内最後の現役車両となっていました。
動画を制作したのは、全国各地の鉄道を主題としたノスタルジーな映像作品でおなじみの、特急ぬめり(@NumeriExpress)さん。長らくいすみ鉄道で走ってきた、キハ28 2346の勇姿を、キハ58系にちなんだ「58秒」の動画に凝縮した作品となっています。
動画はキハ28 2346が車庫で出発を待つシーンからスタート。車両には「急行夷隅(いすみ)」のヘッドマークを取り付けて、同じく国鉄時代生まれのキハ52形と併結して運行します。キハ28 2346はエンジンを換装しておらず、国鉄時代そのままのエンジン音を楽しめる貴重な列車としても知られていました。動画は独特なエンジン音にも注目です。
キハ28 2346は車内で本格的な料理を食べられる「レストラン列車」としても運行されていました(関連記事)。いつも笑顔があふれる車内で、いろいろな思いを乗せて走っていたキハ28。車両は引退しても、皆の心の中にはずっと走り続けていくことでしょう。
今回の動画の制作にあたり、作者の特急ぬめりさんはTwitterで「整備士、運転士、シェフ。運行をささえた3人それぞれの『ニハチ』への思いを、キハ58系にちなんで58秒の映像にまとめました」と語っています。
動画を見たユーザーからは、「泣ける」「ありがとう」など感動や感謝のコメントが寄せられ、車両の引退に悲しむ声も上がっています。定期運用を終了したキハ28 2346は、2023年2月初旬まで貸切車両などでの不定期運行を予定しています。
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まるで映画の世界のよう。