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ジャニーズ“歴史的謝罪”から1カ月 東山紀之社長は「10.2会見」で何を語る? 求められる「7つの説明責任」(2/3 ページ)

主な注目すべきポイントを7つまとめた。

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5.東山社長のハラスメント疑惑に関する進展の有無

ジャニーズ事務所 故ジャニー喜多川氏の性加害問題 東山紀之社長 記者会見 東山社長は自身の過去のハラスメント疑惑について発言を二転三転させた

 東山社長の発言が二転三転していたのは、社名変更に関する回答だけではない。自身の過去のハラスメント疑惑についても、同じく煮え切らない態度を見せていた。

 元ジャニーズJr.の山崎正人さん(ペンネームは木山将吾さん)が2005年に刊行した告発本『Smapへ―そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社)のなかでは、下半身を露出して「僕のソーセージを食え」と発言するなど、東山社長による複数のハラスメントがあったと訴えられている。

 東山社長はこれらの疑惑について、当初は「僕は(性加害を)したことはないです」と回答していたものの、途中から「本当に覚えてないことのほうが多くてですね」「したかもしれないし、してないかもしれないというのが本当の気持ちですね」と、曖昧な回答に切り替えていた(関連記事)。

 会見以降、ジャニーズ事務所が発表したプレスリリースには、東山社長による過去のハラスメント疑惑についての記述は見当たらない。約1カ月の時を経てもなお、疑惑を払拭するために何かしらのアプローチをしていないと明らかになれば、その姿勢や資質を問う声が再び上がる可能性がある。

6.賠償の具体的な内容と謝罪

 前回の会見後、ジャニーズ事務所は外部専門家からなる「被害者救済委員会」を設置すると発表。補償受付窓口を開設し、タレントまたは研修生(ジャニーズJr.など)として所属していたことがある人などで性加害を受けた人を対象に、金銭補償を受け付けるとしている(関連記事)。今回の会見では、取締役会での議論を経て被害補償について、より具体的に報告する予定だ。

 また、性被害を告発していた元ジャニーズJr.で俳優の橋田康さんは、東山社長と井ノ原社長から直接謝罪を受けた、とSNSなどで明かしている。同じく元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトさんおよび橋田さんは、ジュリー社長(当時)から対面で謝罪を受けていた(関連記事12)が、東山社長らによる対面での謝罪は初とみられる。東山社長と井ノ原社長はその場で何を語ったのか、質問が及ぶだろう。

7.メディアへの圧力や忖度のゆくえ

ジャニーズ事務所 故ジャニー喜多川氏の性加害問題 東山紀之社長 記者会見 東山社長は「(忖度は)必要ないと思っています」と語った

 ジャニーズ事務所によるマスメディアに対する圧力や忖度をめぐる問題も、引き続き注視する必要がある。

 前回の会見では、退社した元ジャニーズ事務所によるタレント活動を妨害しないことや、テレビ局にジャニーズ事務所への忖度が必要ないことなどを明言するように求められ、東山社長は「もちろんです」「必要ないと思っています」と明言していた(関連記事)。

 にもかかわらず、東山社長がキャスターを務めていた報道番組「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日系、東山社長は社長就任にともない降板)では会見後、その内容について一切報じないなど、いまだにジャニーズ事務所に対する忖度は一部のマスメディアでは続いているとみられる。

 一方で、テレビ局や番組によっては性加害問題について著名人による言及もみられ、ジャニーズ事務所に所属する「ジャニーズWEST」の中間淳太さんは同事務所の社名について、「僕も変えるべきだ思っていますし、『ジャニーズWEST』の名前がなくなることも覚悟もできています」と発言した(参考:TBSによる報道)。

 また、司会者の上沼恵美子さんは性加害問題について、「みんな知ってたよ」と芸能界では周知の事実だったとして、「(ジャニーズ事務所の名前を残すなんて)吐き気がするわ」と怒りをぶちまけていた。今回の会見では、これら著名人による発言を踏まえた質問が寄せられる可能性も否めない。


 ジャニーズ事務所による2度目の記者会見は、10月2日に実施される。東山社長らは何を語るのか。テレビ各局の放送のほか、YouTubeなどの配信でリアルタイムで視聴できるとみられる。

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