近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による繁殖・販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
私たちの身近な場所で繰り返されている、動物たちの殺処分や衰弱死などの厳しい現実。しかしまた一方で、動物との心あたたまる出会いや愛に満ちた生活が、保護活動によって生まれ、営まれていることも事実です。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。
そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第34回は飼い主・ゆんゆんさんと暮らす保護猫「シンバ」さん。先住犬の柴犬さんに見守られ育ったシンバさんの驚きの成長をご紹介します。
―― シンバさんとの出会いと、保護当時の状況を教えてください
ゆんゆんさん:シンバは一緒に暮らしている柴犬と散歩中に発見した子猫でした。実はその1週間前に、「猫を飼いたい」と思って保護猫を見に行く予定があったので、偶然の出会いに驚きました。
動物病院で診てもらったところ、シンバは生後1カ月半とのことでした。猫風邪のため両目が閉じている状態で、柴犬とは治るまで隔離していました。
どうにか治ってほしいと3カ月治療を続け、右目は見えるようになりましたが、左目は長い間閉じたままだったので癒着しており治りませんでした。
隔離期間中、柴犬はシンバを毎日気にしていました。少し目が開くようになってからは、毎日ゲージから脱走し、それを心配してか柴犬が捕まえようとするので、間違えてケガをするのでは、と心配していました。
―― シンバさんの現在の様子を教えてください
ゆんゆんさん:今では自分を犬と思っているのか、友達の犬が遊びに来ても怯まずあいさつに行きます。また、柴犬は散歩から帰ったら必ずシンバに頭をなめてもらいにいきます。
片方の目は今でも見えていないようで、動きがのんびりです。その後また新たな出会いがあり、もう1匹保護猫をお迎えました。
―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください
ゆんゆんさん:ずっと飼いたかった猫を初めて飼いました。かわいくてかわいくて仕方ないですが、たまにイタズラをして大切にしていたものを壊されたりかまれたりします。夜中や早朝にもよく走り回ることがあります。それでもかわいく大切なので怒れません。
かわいいだけではなく、人と同じようにいいところも悪いところもあります。やはり保護動物をお迎えするというのは覚悟が必要なのだな、と思います。殺処分されたり、飼育放棄されたりする動物がいなくなってほしいと願っています。
(了)
猫風邪を患い、両目が開いていない状態のときに保護されたシンバさん。片目が開いたときに見えた世界は、きっと優しさと愛に満ちた暖色の世界だったことでしょう。
先住犬の柴犬さんに見守られ育ったせいか、今では自分を“犬”と思っているというエピソードもとてもかわいらしいですね。これからもゆんゆんさん宅で健やかな毎日を過ごしていってくださいね。
ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。
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