活動休止中の俳優・沢尻エリカさんが11月2日、舞台「欲望という名の電車」(2024年2月上演)で復帰することが明らかに。アメリカ南部のニューオーリンズを舞台にした同作で、悲運に見舞われる主人公のブランチ・デュボワ役を演じるとのことです。
「欲望という名の電車」は、実家の大農園を失って猥雑な下町に流れ着いた、ブランチの数奇な人生を描いた劇作家テネシー・ウィリアムズの名作。1947年にブロードウェイで初演されピューリッツア賞を含むブロードウェイ3大賞を同時受賞した他、1951年にはヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドで映画化され、アカデミー賞を受賞。日本でも幾度となく舞台化されており、岸田今日子さん、樋口可南子さん、大竹しのぶさん、高畑淳子さんらがブランチを演じています。
今回上演される同作では、ブランチの妹・ステラに清水葉月さん、ステラの夫で義姉と犬猿の仲であるスタンリー役に伊藤英明さん、ブランチに好意を抱くミッチ役に高橋努さんをキャスティング。2024年2月10日から18日まで東京「新国立劇場」中劇場で、22日から25日まで大阪「森ノ宮ピロティホール」で上演予定となっています。
なお、演出を手掛ける鄭義信(チョン・ウィシン)さんは、「高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズの台詞と格闘しようと思う」とキャスティングの狙いも含めての抱負を語っています。
ファンからは「エリカ様復帰!! なかなかあそこまでパンチの利いた女優さん日本にいないから嬉しいね」「沢尻エリカ様活動再開嬉しすぎる。待ってたよ」「彼女がまた芸能の世界で頑張ると決めたのなら応援する〜〜〜〜」と久々となる表舞台での活動を歓迎する声が続々。
また、「エリカ様金髪似合いすぎな件について」「ちょっと雰囲気変わりましたかね?」と、作品の雰囲気に合わせたアンニュイな金髪姿に復帰以前のイメージとどこか違ったものを感じ取ったという声も上がっていました。
沢尻さんは2019年11月に麻薬取締法違反の容疑で逮捕された結果、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の帰蝶役を降板。2020年2月に懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決が言い渡されていました。
俳優復帰は考えていないと当時伝えていたものの、2023年8月に所属芸能事務所「エイベックス・マネジメント」の親会社「エイベックス株式会社」で代表取締役会長を務め、たびたびその活動について言及していた松浦勝人さんのYouTube動画へわずかながら登場。一部ファンから復帰を願う声もあがっていました(関連記事)。
鄭義信さんのコメント
ついに手を出してしまった!大名作である!テネシー・ウィリアムズである! 「欲望という名の電車」である! これまで、数々の名演出家が挑んできた。僕のようなものが、しゃしゃり出てくる作品ではないのだ。それでも、冒頭のブランチの「『欲望』という名の電車に乗って、『墓場』という電車に乗り換えて、六つ目の角で降りるように言われたんだけど……そこが、『天国』だよって」という台詞に、心がグラグラしてしまう。磁石のように惹きつけられてしまう。そして、最後の台詞も……。
あらためて読みかえしてみると、テネシー・ウィリアムズが劇中に散りばめた台詞のどれもが、蛇のようにまとわりついてくる。夢の中までも、追いかけてきそうである。この魅惑的で、危険な台詞とどう対峙していくのか、そして、ニューオリンズの蒸し暑く、湿った街の匂いをどう再現すればいいのか……課題は山積みだ。
高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズの台詞と格闘しようと思う。
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センターにしてあげたい。