男性をどうにか追い返すまでを描いた漫画は広く拡散され、「『“ほう”から来た』には気を付けないと」「訪問販売の営業がよく使う手口」「想像を超える展開」と話題に。「同じ手口に引っかかってしまったことがある」「保健所のほうから来た女性をつい家に上げたら、高価な下着のセールスが始まった」といった類例も寄せられています。
編集部は海原さんを取材し、体験した当時の詳細を聞きました。
―― この出来事を描いたきっかけをお聞かせください
海原 1人暮らしのアパートなどで起きた事件をニュースで見るたびに「そういえば前にこんな怖いことがあったな」と思い出すことがあり、描いてみようと思いました。人に話すと「うちにも来たことがある!」と、似たような経験をしている人もけっこう多いと気付きましたし、今でも似たような事例はあるようなので、ちょっとでも注意喚起になればいいなと。
―― その当時、男性はどのくらいの時間滞在していたのでしょうか
海原 おそらく30分ほどだったと思います。もしかしたらもうすこし短かったかもしれませんが、「泊まらせて」からのくだりが怖くてとても長く感じました。
―― 訪問を受けた際、何か違和感はありませんでしたか?
海原 引っ越してきたばかりだったので「この地域はそういうものなのかな?」と思って違和感に気付くのが遅れてしまいました。
―― その後男性が再び訪問することはありましたか
海原 ありませんでした。
―― 行政などに届け出はしたのでしょうか?
海原 とにかく何もなく帰ってくれたことにほっとして、届け出まで頭が回りませんでした。今思うと注意喚起のためにも、警察などに伝えたほうがよかったなと思っています。
―― 漫画の反響はいかがでしたか?
海原 今回Xに投稿したのは数年前に描いた話をリメイクしたものですが、以前よりもとても大きな反響をいただきました。「こんなのを部屋に入れるのが悪い!」と言われるかな? と思いきや、共感の声もありましたし、「予想外だった!」と言ってもらえたのはうれしかったです。
海原さんが言うように、「水道局のほうから来た」と称し、浄水器の販売や水道料金の詐取などを行う手口はいまだに横行しており、東京都や横浜市など、各自治体でも注意喚起を実施。もし水道局員を名乗る人が来た場合は簡単に宅内へ入れず、その場で身分証明書の提示を求めるか、水道局お客様センターに問い合わせて照会するなど、入念な確認が推奨されています。
作品提供:海原こうめ(@koume_umihara)さん
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