マジで売上が想像を絶する規模になっていた
おもちゃ屋でびっくりして、さらにモール内をうろうろしていると……うわっ!?
すっげえでかいウルトラマンの看板!?
しかも写真に使われてるのはギンガとビクトリーじゃないか! 全然現行の作品じゃない、2013年〜2014年のウルトラマンっすよ!?
この看板が貼られているのはトレーディングカードショップだった。
さすがにこのあたりで少し事情を調べたり、SNSから情報提供されてきたりして、ようやくなにが起こってるのか把握し始めたんだけど、マジでここ最近中国でのウルトラマン人気が超過熱しており、とくにトレーディングカードの売り上げが凄まじいことになっているらしい。
これは去年のニュースなんだけど、中国のウルトラマンカードの年間売り上げは日本円にして約630億円、玩具も含めた全体の売り上げではついにディズニーを追い抜くなど大変なことが起きているようなんだよね。すごいことだ。
ウルトラマンといえば──前もって予防線を貼っておくと、私は決して「生粋のウルトラマンオタク」、ではなくて知らないこともたくさんあるし見たことない作品もたくさんあるし現行作品も毎年欠かさず見てるわけではなくオタクとして嗜む程度の感じであることは言い訳として宣言しておきたい──例えば先述した「ウルトラマンギンガ」は、放送当時「久々にウルトラマンのテレビ放映がされるぞ!」って感じの作品だったのでリアルタイムで見たんです。
でもなんかずっと山奥みたいなところが舞台で画面全体から「予算が少ないんス! マジで!」って雰囲気が滲み出てて居た堪れない気持ちになったのを覚えている。出てくる怪獣の着ぐるみも過去に作ったものの使い回しが多かったし。
そのときに限らず、「ウルトラマン」ってけっこう浮き沈みが激しい印象で、ことあるごとに「お金を使いすぎちゃった」とか「新作があんまり売れなかった」みたいな話が出てきて、定期的に「円谷(ウルトラマン作ってる会社)がマジでやばい!」って話題が出てる感じあったんだよね。
それが2023年の「ウルトラマンブレーザー」制作発表会のときに「もう全話作り終わってるんですけどこんな怪獣が出てきます!」ってズラッと着ぐるみ出してきてさ、しかも新規に作った怪獣ばっかなのよ。それ見て「うわっ! ギンガのことを思うと随分景気良くなったなあ!」ってすごく驚いたのよね。
そのときはほんと、単純に「ウルトラマンがんばったんだなあ」としか思ってなかったけど、中国に来て「ここで稼いでたんか!!!」って答えを得たような気分になりました。
今年の新番組「ウルトラマンアーク」もアジア圏で同時配信するらしい。販路が広がるというのは素晴らしいことだなあ。どんどん儲けてほしいね。
これは余談かつ、素人考えの勝手な予想なんだけど、ウルトラマンを長いあいだ悩ませていた事件のひとつとして、タイのチャイヨー・プロダクションとの権利問題があった。
これはすったもんだの末にチャイヨープロに(日本以外での)ウルトラマンの権利が渡っちゃったという事件(※)で、タイで円谷の預かり知らないウルトラマンが勝手に作られたりとか結構デカいトラブルになっており、25年も争い続ける大訴訟となっていた。
※その後、契約書の真贋をめぐり裁判で争われ、2008年にタイの最高裁判所で円谷プロダクションが全面勝訴しています→関連記事
これらの問題が2020年にひと通り解決したみたいで、もしかしたらこのことも現在の中国をはじめとしたアジア圏での景気の良さにつながってるんじゃないかなあ……なんて思ってるんだけどどうなんだろう。これ読んだ詳しい人はぜひ補足情報を教えていただけるとありがたいっス。
プラモ売り場。これ、商品自体は日本でも買えるのばっかりなんだけど……。ガンダムや仮面ライダーのパッケージは日本と同じ、日本語と英語表記なんだけどウルトラマンはわざわざ中国語表記のパッケージを専用に刷ってるのよ! そんだけ売れるってこと!?
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