1850年のクロワッサンを再現する動画がYouTubeで話題です。歴史も学べて勉強になる検証動画は、記事執筆時点で52万回以上再生されています。
動画を投稿したのは、食の歴史について解説しながら昔のレシピを再現するYouTubeチャンネル、「Tasting History with Max Miller」(@TastingHistory)。今回はクロワッサンの歴史をひもときながら、1850年当時のクロワッサンを再現していきます。
オーストリアからフランスに渡ったクロワッサン
現代のクロワッサンはバターたっぷりで、折り重なった層を食べると表面がパリパリと崩れ落ちていくものが多い印象です。特にフランスで親しまれていることからフランス発祥のパンかと思われがちですが、実はオーストリア人がフランスに持ち込んだとされています。
今回の動画で再現するのは、1850年にオーストリアで作られていたクロワッサンの起源「キプフェル」です。大きな違いは、材料にバターがないことです。
クロワッサンの起源「キプフェル」を作ろう
材料は強力粉、ドライイースト、水、牛乳、塩、卵。現代とそんなに違いはありませんが、バターが使われていないことに驚きです。
材料を混ぜて生地を発酵させる技術が、1850年当時ですでに確立されていたことも分かります。クロワッサン作りで現代と大きく違うのは、生地を伸ばしては折っての繰り返し作業がないこと。1回伸ばしただけで切り分けて、三角形にした生地をくるっと巻くだけです。
その後の工程は現代とほぼ変わりません。ベーキングシートの上に並べて発酵させ、焼き色とツヤ出し用の卵液を生地の表面に塗ってオーブンで焼けば完成です。形は三日月型でクロワッサンのようですが、焼き色も見た目もクロワッサン型のバターロールといった感じです。
見た目はブリオッシュだけどシンプルな味わい
気になる完成品は、ブリオッシュのような仕上がりに。バターが入っていないため風味があまりなくシンプルですが、やわらかくておいしい“普通のパン”とのことです。やっぱりバターが入っていないバターロールなのかもしれない。
投稿者のMax Millerさんによると、さまざまなレシピにバターが導入されたのは19世紀後半とのこと。現代的なクロワッサンに近いパリパリになったのは1905年ごろのようです。バターの普及によって、ヨーロッパの食文化はかなり変わったのかもしれませんね。
視聴者からは、「ドイツ人のおばあちゃんが作ってたのとほとんど一緒」「うちはずっとこのレシピ」「びっくりした……子どものころに両親が作ってた。昔のレシピだとは知らなかった」など、さまざまな国のクロワッサンにまつわるコメントが寄せられています。
画像はTasting History with Max Miller(@TastingHistory)さんのYouTubeチャンネルから引用
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