森博嗣さんは、『すべてがFになる』や『スカイ・クロラ』などの作品で知られる小説家。工学博士であり、当初はとある国立大学の助教授として勤務しながら小説を執筆していました。作品のジャンルとしてはミステリーが多いものの、SFや幻想小説だけでなく、絵本や詩集、エッセイなど多彩なジャンルを執筆しており、独特の世界観や表現をいまなお開拓し続けています。

　そこで今回は、「あなたが好きな森博嗣のシリーズ作品は？」というアンケートを実施します。膨大な作品量のある森博嗣さんのシリーズ作品のなかで、あなたが好きなシリーズはなんでしょうか？　「作品は全部読んだ！」という人はもちろん、「これだけ読んだけどよかったなあ」という人も、投票よろしくお願いします。それでは、森博嗣さんのシリーズ作品のなかから、一部のシリーズを紹介します。

S＆Mシリーズ

　森博嗣さんのデビュー作『すべてがFになる』は、講談社が行う新人賞「メフィスト賞」の第1回受賞作です。この作品から始まるシリーズは、「S＆Mシリーズ」と呼ばれています。シリーズ名の由来は、主人公である国立N大学の助教授・犀川創平と、その教え子・西之園萌絵の名字のイニシャルであるSとMから取ったもの。

　1作目が1996年4月に発行されたのを皮切りにおよそ2年半にわたって刊行が続き、1998年10月に発行された10作目『有限と微小のパン』が最終巻となっています。

　「理系ミステリー」とも呼ばれており、生命工学や認知科学などの理系知識をふんだんに盛り込んだ物語が展開されます。対して登場人物たちの心理描写は時に哲学的・抽象的に描かれており、森博嗣さんらしさのある、独特のミステリーが楽しめます。

Vシリーズ

　「S＆Mシリーズ」に続くシリーズ作品として登場したのが、「Vシリーズ」。シリーズ名のアルファベットは、探偵役・瀬在丸紅子（Cezaimaru Venico）の名前のイニシャルに由来しています。1999年5月発行の1作目『黒猫の三角』から始まり、2002年9月発行の10作目『赤緑黒白』までの作品が「Vシリーズ」に該当します。

　「Vシリーズ」のコンセプトは、森博嗣さんいわく「SSS（シンプル・シャープ・スパイシー）」。斬新な設定の多かった「S＆Mシリーズ」とは異なり、作品の構成やトリックは比較的オーソドックスなものとなっています。

百年シリーズ

　「百年シリーズ」は、2000年7月に発表の『女王の百年密室』を皮切りに、『迷宮百年の睡魔』『赤目姫の潮解』の全3作品で構成されています。シリーズ名の由来は、1作目と2作目に共通する「百年」という言葉から取られています。

　未来の世界を舞台とした物語で、ミステリーの要素もあるSF・ファンタジー小説といった雰囲気です。「S＆Mシリーズ」をはじめとした過去作品と密接な関係があり、ほかのシリーズとあわせて読むことで、より楽しむことができます。また、この作品で登場した自律型ヒューマノイド・ウォーカロンは、後に「Wシリーズ」「WWシリーズ」で再登場しました。

スカイ・クロラシリーズ

　「スカイ・クロラシリーズ」は、現実とはどこか違う世界が舞台で、民間軍事会社 （PMC）の戦闘機パイロットを主人公とした物語。淡々としながらも独特な世界観の作品です。

　1作目の『スカイ・クロラ』は2001年に発表され、その後4本の長編小説が刊行されました。時系列的に並べるとシリーズ1作目の『スカイ・クロラ』が最後にあたりますが、刊行順・時系列順どちらから読んでも面白く読めます。また、短編集『スカイ・イクリプス』が2008年に発表されています。

　作品のメインとして登場するのは、思春期を過ぎてから成長が止まり、永遠に生き続ける存在の子ども達・キルドレ。このキルドレ達がシリーズの核として描かれるのですが、断片的な意見や情報が小出しに出てくるのみで、詳細は謎のまま。その危うく宙ぶらりんとなった存在感が、ストーリーをより奥深く見せています。

あなたが好きな森博嗣のシリーズ作品は？

　森博嗣さんのシリーズ作品を4つ紹介しましたが、ほかにも多くの作品で暗躍する天才科学者・真賀田四季を主人公とした「四季シリーズ」や、国立大学で働く水柿助教授の日常を描いた「Mシリーズ」など、多くのシリーズ作品を刊行しています。森博嗣さんの日常をつづったエッセイなど、選択肢外のシリーズが好きな場合は、その他に投票のうえコメント欄でシリーズ名を教えてください！　投票とともに、作品へのコメントもお待ちしています。

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