江戸末期の京都において、尊王攘夷運動の取り締まりなどで活躍した「新選組」。局長・近藤勇を筆頭に、腕に覚えのある剣士たちが集まり、まさに一世を風靡しました。

　ねとらぼ調査隊では、2021年1月2日から2月1日まで「あなたが好きな新選組の隊士は？」というアンケートを実施。合計2378票のご投票をいただきました。その中で最も高い人気を得た隊士は誰だったのでしょうか？　投票結果を見ていきましょう。

第10位：芹沢鴨

　第10位となったのは、新選組の初代局長を務めていた芹沢鴨でした。神道無念流の使い手で、気性が荒いイメージで語られることも多い人物です。土方ら幹部たちと対立したことから粛清対象となり暗殺されました。普段からの素行の悪さも原因だったようですが、意外にも子どもに好かれる人物だったというエピソードも見られます。

第9位：山崎丞

　第9位は、新選組の諸士調役兼監察である山崎丞でした。情報収集に優れ、文筆面でも能力を発揮したとされるなど、文官のイメージが強い隊士ですが、香取流棒術を修めていたともいわれ、腕も立ったようです。

第8位：近藤勇

　第8位にランクインしたのは、言わずと知れた新選組局長の近藤勇でした。天然理心流を極め、新選組をまとめ上げるカリスマ性も持ち合わせた英傑です。百姓の子から旗本まで上り詰めた、江戸末期の出世頭。実戦では無類の強さを誇ったと伝わっています。

第7位：藤堂平助

　第7位は、“魁先生”こと藤堂平助でした。北辰一刀流と天然理心流の使い手で、砲術の免許皆伝でもある、戦闘の専門家です。活動時期はわずか5年足らずですが、いろいろな創作物にも登場するなど人気の高い隊士です。

第6位：原田左之助

　第6位は、宝蔵院流槍術を修めた槍の名手・原田左之助でした。結成当初からのメンバーで、永倉新八と仲が良かったと伝わっているほか、家族思いのエピソードがいくつも伝わる愛妻家でもあります。上野戦争の際に受けた傷がもとで死去しましたが、後に大陸に渡って馬賊となったという生存説も生まれました。

第5位：山南敬助

　第5位は、新選組総長を務めた山南敬助でした。その温和な人柄は、新選組と対立していた勢力からも評価が高く、文武両道の人物として有名。次第に近藤や土方らと溝が深まり、最終的に切腹することになった悲劇的な最期で知られています。NHKの大河ドラマなどで人気と知名度を上げ、埋葬地が観光スポットにもなりました。

第4位：沖田総司

　第4位となったのは、薄幸の天才美男剣士として描かれることが多い沖田総司でした。実際の容姿については詳しく伝わっていませんが、師匠の近藤すら凌ぐと言われた剣の実力は確かです。天然理心流の平晴眼の構えから繰り出す三段突きは、沖田の得意剣技として有名ですね。

第3位：永倉新八

　第3位となったのは、二番隊組長の永倉新八です。神道無念流の使い手で、「一に永倉、二に沖田、三に斎藤」とうたわれたように、剣の実力は新選組の中でも随一でした。永倉は明治維新後も生き残り、「杉村義衛」と名を変えて剣術師範として生活していたと伝わっています。コメントでも寄せられていましたが、「新選組を後世に伝えようとした」のも彼の大きな功績の一つですね。

第2位：斎藤一

　第2位にランクインしたのは、三番隊組長の斎藤一でした。出自や経歴に不明な点が多く、諸説ありますが、一刀流の使い手ともされています。明治維新後は「藤田五郎」と名を変えて警察官となり、西南戦争では警視隊として西郷軍とも戦うなど、生き残った新選組隊士の中でも稀有な存在です。コメントでは人気漫画「るろうに剣心」の影響で好きになったという人も多く見受けられました。

第1位：土方歳三

　栄えある第1位は、“鬼の副長”こと土方歳三でした。新選組結成時から函館戦争まで戦い、新政府軍に徹底抗戦しました。髷を切って洋装に身を包んだ肖像写真も有名で、現代にも通じる美男子だったことがわかります。また、彼を主人公にした小説や漫画も数多く、全国津々浦々どこでも人気者です。実戦にて真価を発揮した彼の戦術は、最後まで新政府軍を苦しめました。

コメント欄では吉村貫一郎も人気

　アンケートでは、選択項目以外の隊士が好きという人にはコメント欄に記入していただきましたが、その中でも特に人気が高かったのが吉村貫一郎でした。浅田次郎さんの小説『壬生義士伝』の主役として描かれ、一躍有名になったことで知られています。コメントでは「壬生義士伝であり得ないほど泣いた」といった声も数多く見受けられました。

　ほかにも、御陵衛士の元隊士・服部武雄や、新選組結成当初から所属し、函館戦争まで戦った蟻通勘吾、明治維新後に『戦友姿絵』『中島登覚書』を残した中島登などを推す声もありました。たくさんの投票とコメント、本当にありがとうございました！