今日から軽減税率スタート! ネットの声からポイントをおさらい

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 今日10月1日から10%にアップする消費税。影響緩和策として一部の商品が8%のままになる軽減税率が適用されます。ただしこの軽減税率、適用される商品の条件が複雑で、混乱必至と言われています。  ネットの声を「見える化エンジン」で調査し、反響とポイントを整理しました。

今日からスタート、軽減税率

 今日10月1日から10%にアップする消費税。影響緩和策として一部の商品が8%のままになる軽減税率が適用されます。ただしこの軽減税率、適用される商品の条件が複雑で、混乱必至と言われています。
 ネットの声を「見える化エンジン」で調査し、反響とポイントを整理しました。

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調査概要

調査期間2019年6月16日~9月25日
調査対象Twitter
調査件数 5万1321件 (10% サンプリング)
調査キーワード軽減税率
調査方法対象期間のTweetを「見える化エンジン」によるテキストマイニングにより分析
備考実数に近づけるため件数を100%に補正
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ポジティブ指数

 「軽減税率」に関するツイートのポジティブ指数は、3.87%と非常に低い数値です。税率設定が複雑なことや、対象商品への納得感が得られていないことが結果に現れています。

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「軽減税率」と一緒にツイートされた単語ランキング

No.単語件数順割合
1生理用品1589931.00%
2消費税1564330.50%
3女性850316.60%
4増税796315.50%
5対象外656912.80%
6思う643012.50%
7言う589011.50%
8する47249.20%
9オムツ45808.90%
10トイレットペーパー44958.80%
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軽減税率の対象は?――浸透していない対象品目

 対象期間内、Twitterでは「軽減税率」とともに、「生理用品」という単語が多くつぶやかれました。係り受けマップをみると「適用外 – おかしい」「対象外 – 絶望する」といった、ネガティブなツイートが多く見られます。生活必需品である生理用品が、軽減税率対象外なのはおかしい――といった声がネットで多く上がっていたのです。

「生理用品」の係り受けマップ

 ただし、軽減税率の対象用品は「酒類・外食を除く飲食料品(出前・テイクアウトはOK)」「定期購読されている新聞」であり、生理用品のみならず、トイレットペーパーや洗剤などの日用品は含まれません。これは、軽減税率の対象が「生活必需品である飲食料品」といった表現で報道されたこと、また紹介された海外での事例では日用品も対象になっていることがあることから起きた誤解だと考えられます(「新聞が対象なのにどうして日用品が対象ではないのか」という見方も大きそうです)。

国税庁「消費税の軽減税率制度について」より抜粋

 同様の観点で、「水道水が軽減税率の対象ではない」ことを批判するツイートも注目されました。

 ペットボトルに入って販売される飲料水は「食品」として軽減税率の対象になりますが、水道水(水道代)は「炊事や飲用のための『食品』としての水と、風呂、洗濯と言った飲食用以外の生活用水として供給されるものとが混然一体となって提供されて」いることから、軽減税率の対象となりません(国税庁のQ&Aより)。

 あらためて先ほどの対象品目の定義を見返すと、 対象となるのは「(販売されている)酒類・外食を除く飲食料品」 であって、「水道・ガス・電気などの生活インフラの利用料」ではない……と考えると、対象外だということは理解はできます。ただ、なんだかちょっとトンチクイズのような印象を受けますね。

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難問クイズがやってくる……「ビックリマンチョコ」「プロ野球チップス」の税率は?

 さらに、もっと詳しく見ていくと、「食料品」の中でも個別の事例によって軽減税率の対象内/対象外となることがあり、激ムズクイズの様相を呈しています。

 特に難しいのはおまけ付きのお菓子。「一体資産」と呼ばれています。「ビックリマンチョコ」は8%(軽減税率の対象内)である一方、「プロ野球チップス」は10%の消費税がかかります。この違いが発生するのは、軽減税率の対象となる食料品に「税別価格(本体価格)が1万円以内」「商品の値段のうち食品の値段が3分の2以上」という条件がついているからです。

 この条件下で、例えばほとんどの食玩は軽減税率の対象外になると見られます。しかし駄菓子などは判定が難しいものが多く、スーパーや駄菓子屋での混乱を招きそうです。また、「本体価格1万円以内」の条件は、おせちシーズンに影響を与えると見られています。

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対応に追われる各社の“レジ”

 消費者も「これ8%? 10%?」と混乱が続く軽減税率。コンビニ、スーパー、持ち帰りができるコーヒーチェーンやファストフードなどは、対応に追われています。その中で、思わぬトラブルも……。

 10月1日に先立って、レジの計算方式を変更したセブン-イレブン。これまでは商品ごとに消費税を計算し(先に内税価格を算出し)、最後に合算していました。しかし消費増税に対応するため、税別価格を合算し、そこに税率を掛ける仕組みに変更しました。ここで、「商品を1つずつ購入した場合」と「まとめ買いした場合」で、支払い金額が変わるケースが出てきました。

 わかりやすいのは10円の「うまい棒」を10本買ったケース。消費税は小数点以下を切り捨てにする決まりなので、うまい棒の価格は税別でも内税でも10円です。

 これまでの計算では、10円(税込)×10本で100円。しかしセブンの新計算方法では、10円(税別)×10本×1.08で、108円となります。8円も違ってくると「けっこうでかいな……」と感じるのではないでしょうか。

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まとめ

 ネットの声を見ると、軽減税率はまだまだ消費者の理解が浸透しているとはいえません。また、販売者側も対応を進めてはいるものの、実施直後は混乱が予想されます。施行直後の買い物はレシートを残しておいて見返してみると「これは対象じゃないんだ」「レジの計算方式はこっちなんだ」と理解が進むかもしれませんね。

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