首都圏、3回目の大規模「計画運休」 過去2回の教訓を生かせるか?

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 超大型の台風19号接近にともない、各鉄道会社による計画運休の実施が発表されています。首都圏での大規模な計画運休はこれで3回目。過去2回を振り返り、当時の利用者の声や見えてきた改善点などについて整理してみました。

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1回目:2018年9月30日

 首都圏初となる計画運休は昨年の9月30日、台風24号の影響によるものでした。JR東日本は当日の正午過ぎ、20時以降の全線の運休を発表。実際には17時頃から順次止まっていくというスケジュールとなりました。

 Twitterなどで当時の利用者の反応を見てみると、ほとんどがこの決定に対し好意的に捉えていたことが分かります。「いい試みだと思う」「批判もあっただろうが、英断だ」という声が多数を占めていました。

 実はこれ以前には、計画運休に対し否定的な意見もありました。2014年、JR西日本が国内で初めて計画運休を行った際には、実際の台風の被害がそれほど大きくなかったことや、その他の私鉄が通常運行をしていたこともあり、少なからず批判の声も挙がっていたのです。

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2回目:2019年9月9日

 2回目の計画運休が行われたのは今年9月9日。千葉県を中心に大きな被害を出した台風15号の接近によるものです。前日の8日17時過ぎの時点で、翌日の始発から午前8時頃までの運転見合わせを発表しました。

 前日からの発表には一定の評価をする声も見られましたが、問題だったのはその後。被害が想定を超える規模だったこともあり、予定されていた8時の時点でほとんどの路線が運転を再開できないという事態に陥ったのです。

 このため、通勤・通学ラッシュ直撃の時間帯に多数の駅で入場規制がかかり、混乱が拡大することとなりました。津田沼駅一帯を2キロメートルほどの異様な長さで行列する人々を収めた写真がネット上で拡散したことで、「企業や学校の体質」や「日本人の精神性」まで議論されることに。

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過去の教訓を生かせるか?

 前2回の課題や改善点を踏まえ、今週末10月12日~13日にかけての首都圏の計画運休は、48時間前の10日時点でその検討が発表されました。詳細が発表されたのは11日の昼前で、

・12日午前中から13日昼過ぎまでの、在来線と新幹線の運転見合わせ
・被害の程度によっては復旧時期がさらに遅くなることもある
・13日の運転計画はあらためて12日10時半頃に発表

 という旨がJR東日本から発表されています。

 これまでの計画運休によって得られた知見としては、

・ 事前の発表を24時間以前に早めること
・ 運転再開の見通しを固く見積もること(ラッシュ時などに合わせないこと)
・ JR、私鉄、飛行機など複数の交通機関で、運休や再開対応の連携を取ること

 などが挙げられます。

 先月の台風15号を上回り、記録的な被害をもたらすと見られている今回の台風19号。過去2回の教訓を生かし、被害や混乱を最小限に留められるような対応が求められています。

次ページ: 「行列がコミケみたいだった」台風15号のときの津田沼駅の様子

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