富士山に「農鳥」が出現 雪の芸術に「神秘を感じる」「Twitterのロゴ?」などの声

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 5月12日から13日にかけて、富士山に「農鳥(のうとり)」が現れたというニュースがSNSで話題を呼んでいます。

 農鳥とは、富士山の雪解けが進むと山肌に現れる鳥の形をした残雪で、例年4月後半から5月中旬頃に見られます。2020年は昨年の4月25日から20日ほど遅い訪れとなりました。

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「農鳥」の盛り上がりは?

 5月12日の朝から午後一にかけて気象情報会社や大手新聞社などのサイトで取り上げられ、トレンドが盛り上がっています。その後も農鳥を撮影した写真がSNSに多く投稿されるなど、引き続き多くの人の関心を集めています。

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「鳳凰みたい」「Twitterのロゴにしか見えない」など、鳥の姿にさまざまな感想

 農鳥は昔、農作業の始まりを告げる鳥とされ、富士山に現れると地元の農家が種下ろし(種もみを田植えが出来る大きさまで育てる作業)を始めました。今では農作業を始めるタイミングが早まっており、農鳥が現れる頃には田植えが行われているそうです。

 令和初の農鳥ということもあってか、SNSには早速、その姿を収めた写真が多く投稿されて盛り上がっています。見た人たちからは「鳳凰みたい」「Twitterのロゴにしか見えない」「火を吹いている感じ」といった声が聞かれました。

 また「こういう情緒ある風習、好き」「神秘を感じる」「めちゃくちゃ日本人っぽい」など、昔の人の感性に心を奪われる人も多く見られます。

 ちなみに富士吉田市によれば、関東圏では「のうどり」と濁る一方、地元では「のうとり」と濁らないそうです。

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「静岡県民だけど知らなかった」との声も多数

 富士山は山梨県と静岡県にまたがっていますが、この農鳥の風習について、静岡県の人たちからは「生まれも育ちも静岡だけど初めて知った」「山梨側にはそういう風習があるのか」といった声が聞かれました。

 実はこの農鳥、富士山の北西斜面(山梨県富士吉田市側)の7〜8合目に現れるため、静岡県側からは見られません。そのため、富士山が身近にある静岡県出身・在住者でも、これまで知らなかった人は少なくないようです。

 ちなみに全国には似たような風習を持つ地域があり、新潟県の妙高山(みょうこうさん)には農鳥と同じく農作業の目安となる「跳ね馬」の形をした残雪が、山形県の鳥海山(ちょうかいさん)には「種まき爺さん」という腰を曲げて田植えをする農民の形に似た残雪が、それぞれ現れるそうです。

 日本全国、他にも雪解けにまつわる神秘的な風習があるかもしれませんね。

調査概要

調査期間2020年5月12日〜5月13日
調査対象Twitter
調査件数1580 件(10%サンプリング)
調査キーワード農鳥
調査方法対象期間のTweetを「SocialInsight」によるテキストマイニングにより分析
備考実数に近づけるため件数を100%に補正

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