台湾で「赤い封筒」を見かけたら注意! 死者と結婚を迫られる「冥婚」の風習が話題に
あなたは「冥婚」という言葉をご存知でしょうか? これは中国や台湾など東アジアをはじめ、東南アジアなどでも見られる風習で、生きている人が「未婚で亡くなった人」と婚姻する、というものです。
Twitterではこの「冥婚」が話題となっています。発端は台湾在住で個人ブログ「ゴダラボ」の運営や、オンライン台湾中国語スクール「台台レッスン」を運営しているというゴダさんによるツイートでした。
昨日、赤い封筒が道に落ちてました。
が、私みたいに「お金かな?」と喜んじゃう人は要注意です!
これ、おそらく冥婚です。
Twitterより引用
ツイートではこのように書かれていて、道に赤い封筒(紅包)が落ちていた場合注意が必要だと促しています。
このツイートに多くの人が反応を示し、冥婚を題材とした映画や、過去に起こった事件に話題は波及していきました。
ねとらぼ調査隊では、この「冥婚」についてどんな話題が上がったのか、調査していきたいと思います。
「冥婚」ってどんなもの?
ゴダさんによると、冥婚とは「亡くなった女性をかわいそうに思う家族が女性の写真や髪を入れ、拾った男性と結婚させる」という風習。今回は中身を見ていないので、冥婚の封筒であったかは不明とのことですが、見つけても気軽に手に取ってはいけないそうです。この紅包は、お年玉やご祝儀などを入れる縁起物で、台湾では、子どもに見つけても拾わないように教えられることもあるそうです。
また、ゴダさんに詳しく話を聞いたところ、紅包を拾うと、物陰に隠れて見ていた遺族が、封筒を拾った人を捕まえて、結婚を迫るそうです。回避方法としては、ご祝儀200元を渡して「素敵な相手が見つかるように」と言えば拒否できるとのこと。もし結婚することになったら、その後は簡易的な結婚式を行うそうです。
ネット上では、「同僚が拾っちゃって大騒ぎになったことがあります」という声や「女性が拾った場合はノーカウントで、男性が手に取ったら物陰に隠れて見ていた家族が来て、式についてのお話しを始める、と聞いたけれど、お金を入れて『良い方と巡りあい下さい』と声に出すとノーカウント」など、体験談や、冥婚に関する知識が見られました。
ただ、実際に戸籍上での結婚をする訳ではなく、占いで亡くなった人との相性をみて、位牌に名前を入れるという慣習だそうです。家父長制度では、未婚のまま逝去した女性を実家で祭ることができないため、このような制度が残っているのだと思われます。
また、冥婚をした後でも、生きている人と結婚できるそうです。さらに、冥婚に応じると、開運するとも言われています。中には複数回、冥婚を受け入れたという例もあり、台湾においては儀式的な面が強い風習であることがうかがえます。
台湾人のアカウントも反応を示していました。「実家の近くに火葬場と葬儀屋があるので、小さいころはよくその辺の道で見られた」「普通の観光地や住宅街では見られない」とツイートしています。台湾の人でも、良く見る光景というわけではないようです。
日本にも似た文化が
Twitterでは、山形県の一部で見られる「ムカサリ絵馬みたいなもんか」と、日本の文化に言及する人も。
ムカサリ絵馬とは、婚姻できずに亡くなった人と架空の花嫁を描いた絵馬を奉納して、死後婚姻するという文化ですが、「やはりどの国にも独特な死者の弔い方がありますね」「具体的にどう言うものかは知らなかった。Twitterって勉強になる」という感想も寄せられていました。
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