田中芳樹さんの小説『銀河英雄伝説』（銀英伝）に登場する、「疾風ウォルフ（ウォルフ・デア・シュトルム）」の異名をもつウォルフガング・ミッターマイヤーは帝国軍の主要提督の一人。親友であるオスカー・フォン・ロイエンタールと共に「帝国軍の双璧」と称されました。そんな彼の清廉な人柄は皇帝ラインハルトやロイエンタールをはじめ多くの人に愛されています。

　今回は、そんな“疾風ウォルフ”ことミッターマイヤーに関するアンケートを実施します。正義に熱く友情に厚いミッターマイヤーの心に残る名言を教えてください。まずは数あるセリフの中から、3つの名言を紹介します。

ウォルフガング・ミッターマイヤーに二言があると思うなよ。帝国軍の栄誉に傷をつけた奴には、相応の報いをくれてやる。肝に銘じておけ

　「神々の黄昏（ラグナロック）作戦」でフェザーン自治領制圧の第1陣を率いたミッターマイヤー。フェザーンの主要施設の占領へと沸き立つ自軍の兵に対する勧告として放ったのがこのセリフです。

　この直前には、「民間人の殺害、略奪、女性への暴行の禁止を徹底せよ。違反者は即決裁判の後銃殺に処す」と具体的な命令があり、実際に婦女暴行をはたらいた兵士を、民衆の眼前で公開処刑しました。ラインハルト陣営に加わるきっかけとなったクロプシュトック事件でも、ミッターマイヤーは軍紀をただすとしてコルプト大尉を射殺しており、彼の一貫した態度と倫理観がうかがえます。

おれはものわかりの悪い男と10年も友人づきあいできるほど温和な人間ではない

　バーミリオン会戦に際して、ヒルダから救援に向かうよりロイエンタールと合流して自由惑星同盟の首都星ハイネセンを制圧する方が早いと説得を受けたミッターマイヤー。しかし、この策はヒルダの独断だったため、部下のバイエルラインはロイエンタールに陥れられる可能性について言及します。

　その際にミッターマイヤーが返したのがこのセリフ。ここまで読み進めた読者なら、2人の友情を疑うことはないでしょう。その後の行動でバイエルラインはロイエンタールに苦笑されますが、彼に2人の信頼関係を確認する術はないので、このやり取りで青二才と片づけられるのは酷な気もします。

謀略によって国が立つか！　信義によってこそ国が立つ

　同盟駐在高等弁務官となったレンネンカンプは、なかば私怨でヤン・ウェンリーを謀殺しようとしますが、逆に人質として誘拐され自殺します。レンネンカンプを唆して密かに策略を授けたのは軍務尚書のオーベルシュタインでしたが、それを知らないミッターマイヤーがレンネンカンプを擁護するオーベルシュタインに放ったのがこの言葉です。

　敵ながらヤンを名将と評し、礼節をもって偶することを説いた一連のセリフは、彼の清廉で公明正大な性格を表しているといえるでしょう。ミッターマイヤーはオーベルシュタインをしばしば「あのオーベルシュタイン」と呼んで忌避しますが、多くの人は彼のような義将とオーベルシュタインのような謀将は、どちらも帝国に不可欠な存在だと感じているのではないでしょうか。

賢しげに忠告するな。おれには１ミクロンの後ろ暗いところもない。陛下の廷臣どうし、年来の友人どうしが会って何が悪い。誰をはばかる

　内務省内国安全保障局長であるラングの計略により、「不穏の気配あり」として逆心を疑われたロイエンタール。本人に会って真偽を質そうとするミッターマイヤーを、「無用の疑念を招く」として、またもバイエルラインが押しとどめます。

　その際に、彼が激情を抑えられずに発したのがこのセリフです。この時は、副官のアクセル・フォン・ビューローもバイエルラインに同調し、「閣下が公明正大であられても、見る者のレンズがゆがんでいれば、映る像もおのずとゆがみます」と窘められました。最終的に、ロイエンタールは叛乱を起こしますが、ミッターマイヤーは友として複雑な心境を抱えながら討伐に向かうことになります。

まとめ

　ここまでミッターマイヤーのセリフから3つを紹介しました。彼のセリフはどれも実直かつ情熱的で、それでいて親しみやすい性格がよく表れていますね。

　なお、選択肢にはミッターマイヤーの68のセリフを用意しましたが、もし選択肢にない名言を挙げたいという人は「その他」を選択してコメント欄にご記入ください。また、各名言の好きなところや印象的なシーンなども、ぜひコメント欄にお寄せください。アンケートへのご協力よろしくお願いします！

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